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三菱重工マリンマシナリは、低炭素・脱炭素社会に移行する中で主流となりつつある硫黄分を含まない燃料焚機関からの排熱回収を主目的に有機ランキンサイクル技術を用いた最新鋭のバイナリ発電装置(以下、WHR-ORCシステム)(注1)を開発しました。 定格出力200kWから700kWをカバーする3機種のラインナップで、幅広い船種に対応可能です。
WHR-ORC システムは、当社がこれまで数多くの納入実績を積み重ねてきた排ガスエコノマイザ、蒸気タービンやパワータービン(ガスタービン)等を含む舶用排熱回収機器と、グループ会社の三菱重工サーマルシステムズが有する優れたターボ冷凍機技術を融合したオイルレス完全密閉構造、高い熱効率、メンテナンスフリーを特徴とする最新鋭のシステムです。 将来的には水素やアンモニア等のカーボンフリー燃料焚機関、バイオメタン・バイオメタノールなどのカーボンニュートラル燃料焚機関においても、高効率化、省エネ化の効果が期待できます。
船舶・海洋分野では、EEDI(注2)及びEEXI(注3) 削減規制強化、各分野でのGHG排出規制、ゼロエミッションへの取組みを背景に、燃料転換や環境対策技術の適用のための研究や開発が急ピッチで進められています。
当社は三菱重工グループの広範な技術を活用し、市場環境の変化や多様化する顧客ニーズを的確に捉えながら、海事産業における脱炭素化へ貢献すべく、これからも新技術・新製品創出に積極的に取り組んで参ります。
WHR-ORCシステム (Model : MWT-ZD600M) WHR-HWE (注4)
(注1) WHR-ORC:Waste Herat Recovery – Organic Rankine Cycle (排熱回収-有機ランキンサイクル)
(注2) EEDI: Energy Efficiency Design Index (エネルギー効率設計指標)
(注3) EEXI: Energy Efficiency Existing Ship Index (既存船エネルギー効率指標)
(注4) WHR-HWE:Waste Herat Recovery – Hot Water Economizer (排熱回収-温水エコノマイザ)
WHR-ORCシステム概略寸法
WHR-HWE概略寸法