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2023年(令和5年)がスタートしました。ここ3年はコロナ禍の影響で各種展示会や各団体の集合行事が中止になることがほとんどでしたが、国内ではwithコロナの生活環境が定着したことで各種イベントの開催が増えてきました。活動再開に伴い、経済も回復の兆しを見せています。
欧米では、もはや新型コロナウィルス(COVID-19)に対する特別な予防処置や入国制限等は、完全に撤廃され、コロナ以前の経済活動に戻った感があります。
但し、経済活動の方法や手段はその形を変え、afterコロナへの展開を各企業が工夫して取組んでいる状況と考えます。
また、昨年は『地政学リスク』という言葉をよく耳にしました。ロシアのウクライナ侵攻を契機とするエネルギー、食糧の供給不安と価格高騰、輸出規制強化によるビジネスチャンスの喪失等、地政学リスクに伴う新たな不安要素で世界が振り回された一年となりました。
海運・造船業界を取り巻く市場環境は、コンテナ船/LNG運搬船を中心に新造船の発注が回復しておりますが、目先の燃料価格の高騰や環境規制強化(EEXI、CII対応等)等の影響と、将来のカーボンフリー燃料の見極めやそれまでのブリッジ燃料の考え方等もあり、一気に回復基調になる様子ではなく一旦踊り場的な市場環境となり、徐々に回復基調になるという予想がなされております。
当社は、お客様の関心やニーズが急速に高まっているCO2排出削減や将来のGHGゼロエミッションに向けた、新技術やソリューションの検討・開発を一層加速しております。
地球規模の気候変動の脅威への対策として、カーボンニュートラルやゼロエミッションに向けた動きが進む中、新燃料への移行に応じて新製品やシステムをどう開発・適用するかが最大の課題と捉えています。
海事産業の脱炭素化を促進する研究機関『マースク研究所』に発足メンバーとして参画していることは、既に発表しておりますが、様々なプロジェクトに参加することでルールや規制に関する情報をいち早く入手し、今後の方向性をつかむ活動をしております。
将来のGHGゼロエミッション実現のため、新たな技術、ソリューションの開発、実用化並びにシステムインテグレーターとしての機能を発揮して行くため、三菱重工グループ全体として取組みを強化しており、バリューチェーン全体でのCO2削減、ネットゼロエミッション実現に向けた活動をグループ全体で、推し進めております。
今回のMEET NEWSでもいくつかの事例紹介をしておりますが、検証試験等の進捗に応じ、皆様にいち早く開示し、当社の製品・サービスを通じ、CO2排出削減や将来のGHGゼロエミッションに貢献できればと考えております。
三菱重工マリンマシナリ株式会社
取締役社長 堀 俊明