News
グローバルカンファレンスへの参画
AVL(*1) High Power System Conference 参加
三菱重工マリンマシナリは、2024年4月17日~4月18日、オーストリア グラーツにて3年に一度開催されるAVL主催の技術会合に参加しました。 各業界の専門家が集まり、ビジョンの交換や最新技術を発表をし、脱炭素化された持続可能な未来への方向性を描くもので、当社も登壇して「IMOのGHG削減目標と海事産業の代替燃料への対応力」について講演しました。
IMOが掲げる2030年/2040年の中期目標の達成のためには、就航船のエネルギー効率改善、省エネデバイス等のレトロフィット事業の加速が重要であることを説明しました。
全体を通じて、引き続きメタノールとアンモニアが海事産業における脱炭素燃料の本流を担っていくというトーンが強く、
水素については、関連装置の開発は進められているものの、もう少し時間がかかるという意見が多数を占めていました。
(*1)AVL:自動車業界、鉄道、海洋等の分野における世界有数の
モビリティテクノロジー企業。
2)MMMCZCS (*2) Accelerate Partner Summit 出席
2024年5月15日~5月16日にデンマーク コペンハーゲンで開催され、 戦略的パートナーの中核メンバーであるMHIグループからは6名が参加しました。 2023年7月にIMOが策定した2050年の海事産業のゼロエミ達成の前倒し目標に 関する現時点の立ち位置の確認、2030年/2040年の中間点を含めた目標達成の ための課題、解決に向けての取り組みとその優先順位などの意見交換・討議の ため、上流側を含むバリューチェーン全体のグローバル企業経営幹部約400名 が集結し、講演、パネルディスカッションおよびワークショップ形式での討議と ネットワーキングが行われました。 代替燃料としては、徐々にグリーン/eメタノール、ブルー/eアンモニア、 バイオ燃料、バイオメタンのプロジェクトが着実に増えて来ており、舶用燃料の トランジションの概括的な道筋が見えてきた印象を受けました。 一方で、これらの代替燃料の供給量や価格が安定して普及するまでには、しばらく 時間がかかることもあり、その間はプロペラや主機(過給機)を含めた就航船省エネ /燃転関連のレトロフィットプロジェクトが増えていくことも併せて確認しました。
(*2)MMMCZCS (Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping) :
コペンハーゲンに拠点を置く、海運業界における脱炭素化を推進する
調査・研究センター。
省エネ機器の取組
三菱造船(MHIMSB)との省エネ機器協業
海事産業では2050年のゼロエミッション達成に向けて、新造船だけではなく就航船を対象とした環境規制の強化が進んでいます。2023年より開始された毎年の燃費実績をチェック・評価する燃費実績格付け(CII:Carbon Intensity Indicator)に加え、 EUでは2024年から海運においても排出量取引制度(EU-ETS:European Union Emissions Trading System)が導入されたことに伴い、就航船への対策が喫緊の課題となっています。
加えて、環境性能に優れた新造船を建造するにも、造船所の船台が2027~28年までほぼ埋まっている状況もあり、IMOが策定したGHGの削減目標達成に向けては、就航船における推進性能改善/GHG削減対策のニーズが今後益々高まっていくことが見込まれます。
このような状況下、当社の強みである海外船主を中心とした顧客チャンネルやプロペラレトロフィット事業で培ったレトロフィット事業のノウハウ、および三菱造船の強みである専門性の高い技術検討が可能なエンジニアリングリソースや推進性能・省エネ関連に関するノウハウ等、三菱重工グループにて関連事業を行う両社が双方の強みを活かした協業を行うことで、海事産業の脱炭素化に貢献していきます。
具体的には、当社が従来より得意としている過給機、排熱回収装置、プロペラによる省エネ提案に加え、三菱造船との協業により、ダックテイル・風防・バルバスバウ改造・ダクト・舵バルブ・空気潤滑システムを就航船向け当社の提案メニューとして加えることができます。
また、直近の運航データ等、検討に必要な情報をお客様より提供いただければ、個船毎の最適な提案メニューの検討も可能となります。
今後も当社は海事産業の脱炭素化をはじめとする市場環境の変化や多様化するお客様のニーズを踏まえ、より魅力的なソリューション提案が出来るよう努めていきます。
(関連リンク:https://www.mhi.com/jp/products/ship/engineering_development.html)
船舶省エネ技術