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世界初、低圧EGR装置のIMO NOx3次規制適合確認 ~函館どつく建造ばら積み貨物船向けUE低速2ストローク主機~

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三菱重工舶用機械エンジンと、三菱化工機株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:髙木 紀一)は、一般財団法人日本海事協会の「業界要望による共同研究」スキームによる支援を受けて開発した低圧EGR(排ガス再循環)システムについて、各種性能試験を行った結果、IMOのNOx3次排出規制(注)の基準に適合することを確認しました。過給機後流の排ガスを再循環する低圧EGRシステムでの3次規制適合は、舶用低速ディーゼル機関向けとしては世界初となります。

低圧EGRシステムは、主機の過給機出口の低圧排ガスの一部をEGRスクラバーで洗浄した後に過給機入口(吸気)に戻すことにより、エンジン内部での燃焼状態を変化させてNOx生成を抑制するものです。この低圧EGRシステムは、過給機入口の高温・高圧の排ガスを利用する高圧EGRシステムに比べてイニシャルコスト、ランニングコスト共に低く抑えることができるメリットを持っています。本年4月に神戸発動機株式会社にて実施した陸上運転の結果、燃費・NOxを含めた諸性能について所期計画を満足することを確認しました。

今後、函館どつく株式会社が建造する34,000DWTばら積み貨物船(船主:敷島汽船株式会社)に同システムを試験搭載し、海上試運転及び実運航において長期実証試験を行う予定です。就航後の試験実施に関しては、敷島汽船株式会社に加えて、本船を運航するNYKバルク・プロジェクト貨物輸送株式会社、並びに日本郵船株式会社の協力を得て、ロジスティクス、オペレーション、認証等の実運用性についても検証し、システム全体の最適化を進め、今後の商談に備えていきます。3次規制に適合した低圧EGRシステムを船舶に搭載するのは、舶用低速ディーゼル機関向けとしては世界で初めての試みです。

二社および関係各社は、環境分野の技術開発において引き続き積極的に取り組み、今後も国際海運全体の環境負荷低減に貢献していきます。

(注)NOx(窒素酸化物)排出規制:
IMO(国際海事機関)で合意された船舶からの海洋汚染等を防止する国際条約である海洋汚染防止条約(MARPOL条約)附属書Ⅵ〔大気汚染防止〕が2005年5月19日に発効。その後、2008年10月に開催されたMEPC58(海洋環境保護委員会)にて、改正条約の採択、2010年7月1日に発効となり、2011年1月1日以降に起工の船舶に対し現行の2次規制が適用されている。3次規制としては、2016年1月1日以降建造の新造船を対象に、大気汚染物質放出規制海域(ECA:Emission Control Area)に限定してNOxの排出量を2次規制値から約76%低減することが決定している。

低圧EGRシステム(イメージ図)
低圧EGRシステム(イメージ図)
低圧EGRシステム搭載主機(6UEC45LSE-Eco-B2)
低圧EGRシステム搭載主機(6UEC45LSE-Eco-B2)