News

ORCシステム初号機  マースクライン船で運転を開始

Print

三菱重工舶用機械エンジンが新たに開発した「HydrocurrentTM Organic Rankine Cycle(ORC)Module 125EJW」※の初号機が、世界最大のコンテナ船団を擁するデンマークの海運会社マースクライン(Maersk Line)の船舶に搭載され、運転を開始しました。

ORCは、低温熱源を極限まで有効に回収・活用して電力を発生させる独自の高効率舶用システムです。具体的には、主機エンジンのジャケット冷却水(約85℃)の排熱を発電に利用します。一方、船内に搭載された発電機エンジンの運転負荷を下げ、船舶から排出されるCO2を削減し、船舶全体のエネルギー効率を改善します。

今回のORCの出力は125kWで、マースクラインのArnold Maerskに搭載されています。ORCは、すでに当社の提携先であるカルネティックス・テクノロジーズ(Calnetix Technologies)の工場でパイロット機の性能試験を完了しており、2015年には一般財団法人 日本海事協会およびロイド船級協会の承認を取得しています。

マースクラインは、デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を置く世界最大級の海運コングロマリット A.P.モラー・マースク(A.P. Moller Maersk A/S)傘下の海運企業です。同グループは世界各地に拠点を持ち、海運のほか、石油・ガス採掘などの事業も手掛けています。

当社は今後も、船舶のエネルギー効率を高める多様かつ独創的な省エネ・新環境ソリューションを提案し、資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していきます。

※"Hydrocurrent"はカルネティックス・テクノロジーズのトレードマークです。

HydrocurrentTM Organic Rankine Cycle(ORC)Module 125EJW