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◆ 中国CSSCグループが建造する世界最大級23000TEUメガコンテナ船9隻にMET過給機が採用
◆ Dual FuelエンジンとMET過給機の組み合わせによりIMOのNOxおよびSOx排出規制強化への適応が容易に
三菱重工マリンマシナリ株式会社(社長:堀 俊明、本社:長崎市)は、スイスWinterthur Gas & Diesel Ltd.(WinGD)が開発し、中国の上海中船三井造船柴油机有限公司(CSSC-MES Diesel Co.,Ltd.:CMD)が製造 する世界最大の2ストロークDual Fuel(X-DF)エンジン「12X92DF」向けのMET過給機を順調に納入して います。
本エンジンは、中国CSSC傘下の造船所で建造される23000TEUコンテナ船シリーズ9隻に搭載される予定です。これまで多くのMET過給機がWinGDのX-DFエンジンに搭載されてきましたが、今回の一大プロジェクトでMET過給機とX-DFエンジンの親和性が改めて確認されたことになります。12月2日に初号機お披露目の式典がエンジンビルダであるCMDの工場にて行われます。
12X92DFエンジンとMET過給機の組み合わせにより、エンジンで均質のガス混合空気を希薄燃焼させるとともに、MET過給機により排ガスを有効利用することでクリーン・高効率を両立させ、国際海事機関(IMO)が定める船舶に対しての厳しい窒素酸化物(NOx)および硫黄酸化物(SOx)排出規制への適応が容易となり、ディーゼル機関の燃料変更に貢献し二酸化炭素(CO2)の低減もはかることができます。
IMOは、2016年からECA(Emission Control Area:汚染物質の排出規制海域)において第1次規制比80%のNOx削減を求める3次規制を導入しており、対象海域は今後順次広がる見通しです。 また、SOxについては2020年から、すでに厳しい排出規制を導入しているECA以外の全海域で、硫黄分の 規制を現行の3.5%以下から0.5%以下に強化される運びです。 MET過給機とX-DFエンジンの組み合わせは、こうした規制強化に対する有力な選択肢といえます。
三菱重工マリンマシナリは、2018年にはコンパクト・高効率化をはかった新型過給機を開発し、2020年の 初号機投入を目指しています。 既存のMET-MBを進化させた「MET-MBⅡ」シリーズもWinGDのディーゼルエンジンでの搭載が可能となりました。
今後も、MET過給機は過給機のリーディングブランドとなるべく、WinGDをはじめとする多くのエンジン デザイナーと歩調を合わせて環境規制への対応力を高めるとともに、製品のさらなる高性能化に力を注いで いきます。
以上