今、若者たちと~次の10年の話をしよう

世界を幸せに、挑戦楽しもう

三菱重工業・常務執行役員CTO 伊藤栄作氏

発電、産業機械、航空宇宙など幅広い分野の製品を手がける三菱重工業。持続可能な世界を実現すべく、世の中にないものをつくりだし、変化し続ける社会課題の解決に挑み続けてきた同社は、ことし、創立140周年を迎えます。事業の最前線に立つ社員3人が技術部門のトップである伊藤栄作CTOを囲んだ座談会からは、高い目標を掲げ、研さんを続け、頂点に向かって挑み続ける姿がひしひしと伝わってきました。

日本経済新聞朝刊「今、若者たちと」広告企画より転載

技術の組み合わせで
世の中にないものを生みだす

伊藤

三菱重工の製品・サービスのベースは技術であり、そのラインアップは700超と世界トップクラスです。設計や研究開発が現場と近く、一緒に取り組むので、開発スピードも速い。技術のピースの組み合わせによって、数カ月で新たなものを生み出すことも可能で、現在はカーボンニュートラル社会の実現や自動化・自律化などのテーマを追っています。できなかったことを実現し、世の中にないものを生みだそう、外国の巨大企業に追いつこうとの思いで成長してきた歴史があります。

「技術のピースの組み合わせによって、数カ月で新たなものを生み出すことも可能」(伊藤常務執行役員CTO)
前島

社会インフラに携わり大きな仕事がしたくて入社しました。事業の幅が広く、提供できる選択肢が多いのは、長年築き上げた伝統によるものと感じます。チャレンジの選択肢も多彩で、現在は営業職としてお客様・技術メンバーとともに、新しい原子力プラントづくりに取り組んでいます。

「提供できる選択肢が多いのは、長年築き上げた伝統によるものと感じます」(前島さん)

事業のスケールの大きさに魅了され、溶接士としてその一員になりたいと入社しました。国内は北海道から沖縄まで、海外ではタイや中国などにも飛び、世界の人々の生活をエネルギー面で支えていることを実感しています。

「世界の人々の生活をエネルギー面で支えていることを実感しています」(林さん)
柴田

世の中をわくわくさせるものづくりがしたくて入社しました。驚いたのは、入社直後から大きな範囲を任されたことです。ロケットエンジンを設計していた頃、出荷直前の実験に失敗し製品を壊してしまいました。ショックでしたが、外されるどころか「最後までやり遂げよう」と任され、苦しみながらも成し遂げることができました。今はカーボンニューラルに貢献する製品をゼロから生み出す立場ですが、困難に遭遇してもこの経験が生きています。

「最後までやり遂げようと任され、苦しみながらも成し遂げることができました」(柴田さん)
伊藤

重要なインフラ構築に携わる、自らの技術を究める、思いをカタチにする、それぞれの希望を叶え、活躍してくれていますね。一人ひとりが担う仕事の幅は広く、努力、研さんが不可欠です。その経験の繰り返しが判断の成功確率を高めてくれますし、活用できる技術やアイデアは社内にたくさんあります。

楽しいからこそ続けられる

前島

エネルギー問題は今、現実的・具体的なソリューションの提案と、それを着実に進めていくことが求められています。原子力は、15年前から新たな建設が止まっており、これまでの積み重ねをきちんと継承しながら新たな要素も加え、引き継いでいかなければならないと思っています。

伊藤

社会への貢献や問題解決への気概を持ってくれていることを頼もしく思います。私たちは社会インフラに関わるからこそ、長い視点を持ったものづくりに取り組めるのだとも思います。皆さんの考えるものづくりとは何ですか?

問題が起きたとき、現場にしか思いつかないような解決方法もあります。それを製品に注ぎ込んでいくのが自分にとってのものづくりだと思っています。

前島

ものづくりとは積み重ねと革新の歴史と考えています。

柴田

1人でつくれるものは何一つありません。みんなが持っている技術やノウハウを組み合わせて1つの製品にしていきたいです。

伊藤

私は、自分が考えて作ったものが実際に使われ、世の中の役に立っていることを実感すると、この上ないやりがいを覚えます。皆さんもそれぞれの立場で様々に工夫し、変えていくことができます。それは楽しい挑戦の連続です。楽しいからこそ続けられるのは、スポーツにも通じます。好きから始まり、強くなればきついこともありますが、挑戦そのものはやはり楽しい。応援してくれる人まで幸せにします。挑戦する中で、自分も世の中の人たちも幸せになれる。それが、ものづくりの世界なのだと思います。

陸、海、空、そして宇宙へ

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、1884年の創立以来、社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエナジートランジション、社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティー分野の発展に取り組み、人々の豊かな暮らしを実現します。

座談会出席者 プロフィル(左から)

前島 慶仁さん(まえしま・よしひと) 原子力セグメント 原子力部 軽水炉課 2チーム
入社16年目
調達業務を経て原子力部門の電力会社向けプラントセールスに従事。現在は営業として、将来のエネルギー事情を見据え、開発が始まったばかりの革新軽水炉プロジェクトにも取り組む。

柴田 晶羽さん(しばた・あきは) 総合研究所 ターボ機械研究部 ターボ機械第二研究室 第一チーム
入社9年目
ロケットのエンジンや配管、タンクなどの設計に従事。その経験も生かし、現在は発電向けのポンプや水素関連機器など、エネルギー転換によって必要とされるであろう新たな製品開発に取り組む。

林 貴築さん(はやし・きづく)一番右 エナジードメイン GTCC事業部 高砂ブレード・燃焼器製造部 燃焼器課 製造一係 内筒班
入社15年目
発電用ガスタービンの重要部品の補修に長く従事。現在は最新機種を含む燃焼器の新製に取り組むほか、CO2排出削減のカギを握る水素発電用ガスタービンの開発で、これまで培った高い製造技術を発揮。

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