#13
WORK&
PERSON
INTERVIEW
PERSON
海外で展開するGTCC事業。
「水素社会」の実現によって、
環境問題解決の一翼を担いたい。
海外営業部
Mitsubishi Power Asia Pacific Pte. Ltd.
[2017年入社]
法学部法律学科卒
三菱重工に入社した理由を教えてください。
三菱重工のビジネスのスケールに惹かれ入社を志望しました。私は大学まで野球部に所属しており、野球漬けの日々を送っていたので、就活を始めたときは自分が何をしたいのか分からないというのが正直な思いでした。一方で、選手として活躍はできなかったものの、後輩の指導やデータ分析等、チームの勝利のために必要な役割を果たすことにやりがいを感じており、この経験から、社会に出てからもたくさんの人に必要とされる仕事=社会へのインパクトが大きい仕事がしたいと思うようになりました。三菱重工は扱っている製品やビジネスのスケールの大きさに加え、社を挙げて環境問題という地球規模の課題に挑戦している点に惹かれて入社を決めました。
環境問題への課題意識が、現在の仕事につながっているのですか。
入社当初は環境問題への意識は漠然としたものでしたが、特に海外で勤務した経験を通じて、自分の仕事が電力の安定供給や環境問題の解決につながっているという実感を得られるようになりました。現在、私はGTCC事業部で、主力製品であるガスタービンを使用したガス火力発電所の新設プロジェクトを担当しています。GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)発電はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電で、CO2排出を低減した高効率な発電方式です。現在、脱炭素化の流れの中で欧米を中心に再生可能エネルギーの開発が進んでいますが、経済発展が進む国や化石燃料が豊富な国においては、依然安価で安定している火力発電所が必要とされることも事実です。また、天候に左右され発電量が不安定な再生可能エネルギーの調整電源として、起動・停止が得意なガス火力は欠かせません。国の発展と環境問題、双方に答えることができる解決策として、高効率な火力発電所が必要とされているのです。また、三菱重工は天然ガスに代わり燃焼してもCO2を排出しない水素をガスタービンの燃料として使用する実証を進めており、この点からも将来の環境問題解決に大きく貢献すると考えています。現在私が担当しているシンガポールのプロジェクトも将来の水素転換を見据えた発電所となっており、自身の仕事が来る水素社会に直結していると感じています。
現在担当されている営業の具体的な仕事内容を教えてください。
GTCC事業部の海外営業は大きく分けて、案件の仕込みや入札の対応を行う「受注営業」、契約受注後からお客様への引き渡しまでを担当する「遂行営業」、運転後の発電所をケアする「アフターサービス営業」に分かれます。その中で私は、「遂行営業」担当として、シンガポール国内にて進行中のガス火力発電所の新設プロジェクトの商務事項取りまとめを行っています。日々のお客様や現地のパートナー企業との交渉、また現地で突発的に起こるトラブルに対し、プロジェクトマネージャと共に日本の関係者を巻き込みながら対策を取っていく、所内の旗振り役の役割を担っています。また、現在進めているプロジェクトは、今私が所属している現地法人として請け負う初のEPC(Engineering=設計、Procurement=調達、Construction=建設)案件です。したがって、EPCを行うにあたり必要となる体制や要領の立ち上げも担当しています。
印象に残っている取り組みを教えてください。
私は長崎営業部から営業のキャリアをスタートさせました。早い時期から海外で働きたいと希望を出していたところ、念願叶って、入社3年目でインドネシアの発電所建設現地への長期出張の機会を得ました。その翌年にはインドネシアの現地法人へ受注営業として赴任したのですが、当時のインドネシアはコロナ禍のあおりを受けて国内の電力需要が落ち込んでしまい、軒並み大型発電所の新設計画がキャンセルされる状況になりました。まだ計画が残っていた地熱発電プロジェクトの情報収集や売り込みを続ける傍ら、製紙工場・石油化学工場用の自家発電所の新設を検討されているお客様を発掘し、時には木製ボートに乗って、川を遡上しお客様のところまで出向きプレゼンを行いました。最前線にいる営業として足を動かすことの重要性を改めて感じた取り組みでした。この経験は駐在する国や役割が変わった今でも活きています。
これから実現したいこと、ご自身の夢をお聞かせください。
地球規模の問題の解決に、三菱重工の技術を通じて挑戦していきたいという思いは入社前から変わっていません。目の前の仕事が、受注の拡大、信頼性の高いプラントの納入、ひいては環境問題の解決につながっていると信じて、日々の仕事を積み重ねていきたいと思っています。個人としては、営業としてのスキルや専門知識を更に身に付け、プロジェクトに必要不可欠なスペシャリストに成長したいと思っています。そして、発電に関わるものとして、近い将来、「水素社会」の実現に貢献したいと考えています。