#03
WORK&
PERSON
INTERVIEW

世界の脱炭素化に貢献するため、
CO2回収装置遠隔支援サービスの
実用化に向き合う。

野老 一弘
KAZUHIRO TOKORO
システム開発
#CO2回収 #DX推進
エンジニアリングセグメント
DX推進・開発管理部 開発管理グループ
[2018年入社]
基幹理工学研究科機械科学専攻修了
※内容は取材当時のものです

早い時期に海外勤務を経験されたと聞いています。
どのような任務だったのですか。

私は大学院では機械工学を専攻し、全長数十メートルにものぼる実験装置の組み立ての経験からプラントに興味を持ちました。入社後は、化学プラントの計装・制御の設計を担当し、入社2年目にはウズベキスタンでの海外勤務を経験することになりました。私の主なミッションは、計装工事の進捗管理、試運転時の計器トラブル対応でした。コロナ禍もあり厳しいスケジュール調整が求められましたが、言語も価値観も異なるメンバーと現場を動かしていく中で、調整力や柔軟性を身に付けることができたと感じています。若い時期に非常に貴重な経験をさせていただきました。

CO2回収装置において、どのような業務を担当されているのですか。

三菱重工は、商用CO2回収装置における排ガスからのCO2回収設備容量ベースで世界トップシェアを誇っていますが、私はその中で、CO2回収装置向けの遠隔支援サービスのシステム開発・導入・運用に取り組んでいます。世界的に脱炭素化が進む中、CO2回収装置を必要とするお客様も多様化しつつあります。装置運転に熟知したお客様であれば、その後の運用もスムーズですが、お客様の幅が広くなったため、装置運転に不慣れなお客様も少なくありません。そこでの大きな課題となるのが運転保守。私たちは、課題解決に向けて運転診断や異常検知といった運転監視サービス、さらには遠隔操作/自動運転といった運転代行サービスなど、遠隔支援サービスの開発を進めています。

遠隔支援サービスの実用化に向けてどのような取り組みを行っているのですか。
また、実用化されることにより、生み出される価値について教えてください。

CO2回収装置はお客様のニーズによって規模も多彩ですが、脱炭素化に取り組まれるお客様が、より装置を身近に手軽に導入いただけるよう、小型CO2回収装置「CO2MPACTTM(コンパクト)」の開発・サポート体制の確立を進めています。現在、IoTなどを駆使した遠隔監視によりお客様の運転データを共有することで、トラブルの未然防止や長期トレンド分析に基づいた設備改善案の提案などの検証を進めています。検証段階ではあるものの、自身が構想段階から開発に携わったシステムが初めてリリースされたときは、大きな達成感を味わいました。
その後、各プロジェクトへの導入・運用まで一貫して関わっていますが、その中で目指しているのは、単にデータ取得による運転監視だけでなく、お客様にとってより価値のあるサービスの実現です。それら付加価値の追求がCO2回収装置の一層の拡大・普及、そして脱炭素化社会の実現に貢献することに繋がっていくと考えています。

当面の目標と、今後挑戦したいことをお聞かせください。

現在、取り組んでいるCO2回収装置向け遠隔支援サービスを軌道に乗せることです。具体的には、お客様に支持される遠隔監視システムを確立し、その延長線上で運転支援(代行)サービスを実現すること。そのためには、装置自体の省エネルギー性能の高度化や運用コスト低減、環境負荷低減などの課題へ速やかに対応していくことが求められます。CO2回収装置事業はEPC(Engineering=設計、Procurement=調達、Construction=建設)業務が中心になりますが、私たちは、いわゆるO&M(Operation=運用&Maintenance=保守)サービスという新しい取り組みに挑戦しており、最終的には、この遠隔支援サービスを三菱重工のサービス事業の一つに成長させていきたいと考えています。
また、CO2回収装置の遠隔支援サービスに限らず、エンジニアリング事業全体のビジネスモデルを変革できるよう今後もあらゆる面でDX推進に挑戦していきたいと思っています。

PERSONAL DATA

趣味はキャンプと料理。入社2年目から、シーズン問わず大学の友人や会社の同僚とキャンプに行くようになった。都心から近場の山梨や静岡のキャンプ場に行くことが多い。早朝に朝日を浴びながら森林の中で飲むコーヒーは格別と言う。キャンプに行くときはいつも料理担当。そこから徐々にキャンプ飯にハマっていき、今では家での料理がマイブームとなっている。
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