#22
WORK&
PERSON
INTERVIEW

造船業に革新を!
生産構造改革プロジェクトと格闘する日々。

戸村 紘大
KODAI TOMURA
生産技術・管理
#船舶・船殻ブロック #防衛・宇宙
防衛・宇宙ドメイン
艦艇事業部
立神艦船工作部
船殻課
[2013年入社]
工学研究科地球総合工学専攻(船舶海洋工学コース)修了
※内容は取材当時のものです

学生時代にはそれぞれ、
どのようなことを学びましたか。

船が好きで船舶海洋工学を専攻し、大学院ではFEM(有限要素法)による大規模構造物の溶接変形解析を主にやっていました。しかし、最終的には研究より生産技術に興味があり、「製造の現場で働きたい」と今の職場を志望したのです。もちろん学校を出たての人間が即戦力として通用するわけはなく、1年目は先輩にサポートしてもらいながら、とにかく仕事を覚えていきました。すると2年目には、250人ほどが動く船殻大組ブロック工程の取りまとめ役である工事担当者を任されることになったのですから驚きました。三菱重工に入る前、「若手に大きな仕事をさせる会社だ」とは聞いていましたが、実際、ここまでだとは思っていませんでしたね(笑)。

船殻大組ブロック工程の取りまとめ役として、
どういったやりがいを感じましたか。

工事担当者は主に工程管理、品質管理、不具合対応などで陣頭指揮をとりますが、あらゆる局面において自分で判断することが求められます。その判断にもとづいて自工程・他工程を問わず多くの人に動いてもらうことになるのでプレッシャーもありましたが、影響が大きい分やりがいがありました。
3年目は、生産構造改革プロジェクトと呼ばれる船舶の生産方法そのものを大きく改善していくプロジェクトに参加することに。設計・研究所のメンバーと共に次世代の船造りについて議論する中で、「ここはこうしたほうがいい」と提案していかなければなりませんから、苦労もありながら、この刺激に満ちた日々はまだまだ続きそうです。

今の仕事に夢中になれているのは、
なぜなのでしょう。

困難も多い今の仕事に、それでも夢中になれているのは、三菱重工だけでなく日本の造船業を大きく進歩させていくきっかけになるかもしれないからです。長い歴史をもち、伝統を大事にしてきた業界だけに、いい面もある一方、古い体質も残しており、そこを変えていかないと未来はありません。
取り組まなければならないテーマは多様です。例えば、製造技術についていえば、まだまだ熟練工に頼らなければならない「ぎょう鉄曲げ工程」や「溶接工程」を自動化・省力化することでより効率を高める方法が考えられます。さらに、工程管理では今までそれぞれの工程で部分最適となっていましたが、IoT(Internet of Things)技術で各工程の生産状況をリアルタイムでサイバー空間に拾い上げ、そのデータにもとづいた全体最適工程を算出するシステムを構築することを目指しています。
またバリュー・チェーンの見直しなども進めなければなりません。新しい手法や発想が求められる業界だけに、私のような、ある意味、無鉄砲な人間がかき回していくことも必要かなと思っています(笑)。

立神艦船工作部を、今後はどのようにしていきたいですか。

体制を大胆に変革していくのですから、当然、現場の戸惑いはあります。しかし、そのときは一方的にプロジェクトの方針を押し付ける結論ありきの議論ではなく、問題意識を共有し、その解決手段を一緒になって考え、最終的にはその工程で働いている人たちにどうすればいいか決めてもらう方法が有効です。誰だって働きやすく、生産性も高い職場にしたいと望んでいるのですから、理由をきちんと説明できれば説得は可能なはずです。
私の想いは、現場の人たちがこの立神艦船工作部で働いていることを誇りに思えるような最新鋭の工場にしていくことです。

PERSONAL DATA

小中高大とラグビー三昧の生活を送ってきたが、さすがに社会人になってからは続けることはできず、今はビーチラグビーと呼ばれる砂浜で行うスポーツに夢中。タックルなどの体の接触は禁止されているが、ラグビーと同じスピード感は味わえる。これからは同期でつくったチームで九州以外の大会にも出場し活躍していきたいと意欲十分。
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