#06
WORK&
PERSON
INTERVIEW
PERSON
防衛を担う新規誘導弾の開発。
常に新たな技術に挑戦し吸収する、
エンジニアであり続けたい。
航空機・飛昇体事業部
飛昇体技術部
技術課 ミサイル構成品試験チーム
[2011年入社]
工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻修了
航空宇宙への興味・関心から、三菱重工への入社を決めたのですか。
幼い頃から、航空宇宙に憧れを抱いていました。航空機やロケットが高速で空を飛ぶこと、その世界は先端技術の結晶と感じ、その領域で仕事をしたいと考えていました。大学の学部生のときは機械・航空宇宙工学を専攻、大学院では、宇宙などの高真空領域やマイクロナノ領域を研究。エネルギー伝達効率の取得を目的として、シミュレーション及び実験を行っていました。就活は、航空宇宙関連企業に絞って活動。中でも三菱重工は、航空機、ロケットなどでプライムを務める企業であり、ここであれば自分がやりたいこと、幼い頃からの夢を実現できると思い入社を決めました。
現在担当されている、新規ミサイルの開発について教えてください。
入社後、ロケットエンジン部品の開発試験を担当し、その後現在の部署である飛昇体技術部に異動となりました。現在は、新規誘導弾の開発試験を担当しています。誘導弾は目的によって求められる性能も異なります。それぞれの目的に応じ新規誘導弾の開発は進められますが、その機能は構成品と呼ばれる単位で配分されています。私は誘導弾の飛昇を制御する「制御部」と呼ばれる構成品の開発試験を担当。制御部は、操舵翼を制御するものや、燃焼ガスの向きを制御するもの等、さまざまな形式が存在します。たとえば、翼に対する空力負荷がある中で、所定のスピード・確度等の機能を発揮しているかどうか、実際にそれらを作動させ、性能を評価しています。誘導弾は一機一様であり、それぞれの機体ごとに評価する手法を検討・確立し、開発試験を進めています。
印象に残っている取り組み、仕事のやりがいを教えてください。
誘導弾の固体燃料推力制御装置の燃焼試験を実施したことです。評価するための器材準備に2年を費やし、多額の金額を注いで準備しました。これは、一度限りのやり直し・後戻りができない試験でした。準備不足、確認不足で試験が万が一失敗すれば、すべてが無駄になるという緊張感で当日を迎えました。誘導弾推力制御装置開発の最初のステップともなる試験でした。固体燃料が燃焼することで、適切な推力評価が実現します。したがって、「燃焼終了」の号令が発令され、滞りなく燃焼試験が完了したことを確認したとき、その達成感もひとしおでした。これら開発試験を通じて実際の完成形を見たときや配備されたとき、そしてそれが日本の防衛の一翼を担っていることに確かなやりがいを感じます。
入社して感じた三菱重工の強みや魅力を教えてください。
社内には、さまざまなジャンルの専門家が多く在籍しています。技術的な困り事があった場合、相談相手に事欠くことはありません。もちろん部内にもいますし、別組織である研究所の方々にも助けていただいています。また、大きな組織のわりに個人の裁量が大きいと感じており、個人の裁量が大きい分、やりたいことはかなり自由にできる環境があります。新しいことに挑戦したい人や、貪欲に知識や技術を吸収することを楽しめる人にとって、絶好の環境だと思います。私自身、常にそうありたいと思って仕事に取り組んでいます。
これから実現したいこと、ご自身の夢をお聞かせください。
直近で取り組んでいるテーマの一つが迎撃用誘導弾。飛来してくるミサイルの脅威から防御するため、非常に重要な誘導弾です。設計のチャレンジングな要求に耐えうる、データの解析・評価手法の検討を進めています。現在、新規の誘導弾開発がかつてないほど立ち上がってきています。そのスピードも早く、予算規模・量も大きくなっています。したがって、私たちの現場は、非常に忙しい状況です。しかし裏を返せば、試験評価する側としても、さまざまなアイデアを試してみる絶好の機会。常に新しい技術を貪欲に吸収し、挑戦し続けられる、そんなエンジニアでありたいと思っています。