#04
WORK&
PERSON
INTERVIEW
PERSON
M&A、紛争対応から米国留学まで。
多様な経験から得た知見を生かし、
三菱重工のプロジェクトを推進する。
[2011年入社]
法学部卒業
入社後、最初の配属先は調達部で
製品の資材調達を担当されたのですね。
名古屋誘導推進システム製作所で、民間航空機用エンジンの資材調達や物流を担当しました。入社前は、「大企業であること」「さまざまな製品を扱っていること」から、縦割りの組織をイメージしていたのですが、実際には部門横断で職務に取り組むスタイルで、良い意味でギャップを感じました。
例えば、部品メーカーからの納品遅延ひとつとっても、その要因は「設計が複雑である」「品質基準が厳しい」「仕様決定に時間がかかり発注のタイミングが遅れてしまった」など、さまざまなケースが考えられます。三菱重工グループでは、こうしたイレギュラーな事象が発生したとき、関係部署が協力し合って問題解決の方法を考える風土が根付いています。こうしたチーム力が会社の強みに繋がっているのだと、入社後すぐに実感することができました。
現在、所属されている法務部では
どのような職務を担当していますか?
現在取り組んでいる主な仕事内容としては、契約法務・トラブル対応支援・社内規定整備等が挙げられます。ひとつ目の契約法務は、社外関係先との契約を対象にした法的リスク評価と、評価にもとづくリスク低減策の提案、契約書作成、社外関係先との交渉等が主な業務になります。ふたつ目のトラブル対応支援は、法的リスクを踏まえて事業部に対してトラブルへの対応内容を提案したり、交渉支援を行ったりします。社内規定整備は、新しい法令への対応のため、知見を有する社外弁護士を探すところから始め、複数の助言を得て、三菱重工に最もフィットするポリシーを社内関係部門と調整しながら検討していく作業です。
法務の仕事における
やりがいについて教えてください。
一般的な法的リスクを洗い出すだけなら、社外の弁護士やAIに任せれば済みます。しかし、三菱重工の事業ならではのリスクを予測し、必要な対策を講じるうえでは、事業をよく理解した社員が担当する必要があります。実務では、大型プロジェクトに携わる機会が多く、培ってきた知見を生かして法務の立場からプロジェクト推進に貢献できていると感じることができること、また自分が提供したアドバイスにより契約交渉がうまくいった際は担当者から感謝してもらえる点などに、大きなやりがいを感じています。
これまでのキャリアで
印象に残っている出来事について教えてください。
たくさんありますが、強いて絞るなら2点でしょうか。ひとつは、ある企業との合弁会社設立に携わったことです。先方の要求が多岐にわたったため、契約交渉は難航しました。どのように対応すべきか社内関係者の間でも結論を出せずにいたなか、私は、三菱重工が過度なリスクを抱えない範囲でできる限り先方の要望を反映させた契約案を独自で考えてみました。協議を重ねた結果、この案が採用されることになり、無事に設立にいたったのです。法務には、リスクの低減に目配りするというブレーキの役割だけでなく、暗礁に乗り上げかけたプロジェクトを動かしていくというアクセルの役割も担っているのだと実感できました。
もうひとつは、米国のロースクールに留学させてもらい、法学課程を修了し、米国の弁護士資格を取得したことです。米国は訴訟社会なので、実例をもとに多様な知見を得られましたし、各国から学びにきている仲間からも大いに刺激を受けました。
今後のビジョンや目標について教えてください。
学生時代は「社会貢献につながる事業に携わる」「グローバルに活躍する」を軸に就職活動し、希望に合致した会社として三菱重工を選びました。この軸は今も変わっていないので、ゆくゆくは海外に駐在し、現地の関係者と協力し合って進めるようなプロジェクトに関わりたいと思っています。また、成長の可能性など、定性的な要素も多分にある事業を対象に経営分析をしたり戦略を考えたりする経営企画なども経験してみたいですね。
私がイメージしているのは、幅広い知識・知見と、特定の分野で高度な専門性を擁するT型人材です。私にとっての法律は「深く突き詰めるもの」ではなく、「事業に臨むうえで活用するもの」です。法務で培った専門性を軸に、さまざまな部署・役どころを経験しながら幅を広げていきたいと思っています。
CAREER STEP
- 2011年
- 名古屋誘導推進システム製作所 調達部にて民間航空機用エンジンの資材調達や物流業務を担当
- 2014年
- 本社総務法務部 管理グループ(現在の法務部 法務第四グループ)へ異動
- 2021年
- 米国UCLA School of Lawに1年間留学し、LL.M.(法学修士)を修了、米国の弁護士資格を取得
- 2022年
- 本社法務部 法務第二グループにて防衛・宇宙セグメントと航空エンジン事業の法務支援を担当