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2017年2月10日発行 第001号
三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
常務取締役 柴﨑亨
三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(MHIET、社長:花沢 芳之、本社:相模原市中央区)、および東邦ガス株式会社(社長:冨成 義郎氏、本社:名古屋市熱田区)の共同開発による出力450キロワットの「廃熱回収増大型・低NOxガスコージェネレーションシステム(SGP M450)」が、一般社団法人 日本機械工業連合会(日機連)が主催する「第37回(平成28年度)優秀省エネルギー機器表彰事業」で「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。高効率・高出力化に加えて脱硝設備を不要とし、初期投資・運用コストを削減、省スペース化を実現したことなどが高く評価されたもので、表彰式が2月9日に開かれました。
SGP M450は、新たに出力450キロワットのガスエンジンを開発、2015年4月から販売を開始したものです。燃焼最適化や水冷ターボチャージャ、高効率発電機などの採用により、従来機の380キロワットガスコージェネに比べて約20パーセントの高出力化を達成し、出力400キロワット級ガスコージェネで世界最高クラスの発電効率42.0パーセントを実現しています。また、これまで捨てていた過給機で圧縮された混合気の熱を回収できる2段インタークーラを採用して熱効率を高め、総合効率を81.5パーセント(注1)まで向上させました。さらに燃焼最適化による低NOx(窒素酸化物)を実現して脱硝装置が不要なレベルとし、小型ボイラ採用やパッケージレイアウト見直しなどにより、設置面積を従来機から30パーセント以上削減、装置全体の重量を13パーセント(注2)軽量化しました。
この最新鋭SGP M450ガスコージェネを導入することによる省エネ・CO2削減効果は、商用電力とガス焚きボイラで賄った場合と比較すると、エネルギーで約33パーセント削減、CO2で約47パーセント削減が可能です。今回の受賞をはずみとして、ガスコージェネのさらなる高効率化と普及促進に力を注ぎ、エネルギーの有効利用と地球環境保護に貢献していきます。
日機連の優秀省エネルギー機器表彰事業は、優秀な産業用省エネルギー機器の開発、実用化を通じてエネルギーの効率的利用の促進に貢献していると認められる企業、企業グループを表彰する事業で、1980年度(昭和55年度)から毎年実施されています。
MHIETは、2016年3月に発足した三菱重工業100パーセント出資の三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス株式会社(M-FET、社長:前川 篤、本社:川崎市幸区)の100パーセント出資で発足した会社で、三菱重工のエンジンおよびターボチャージャ事業を承継して2016年7月に営業を開始しました。SGP M450の事業も三菱重工から引き継いだものです。
(注1)回収した熱をすべて温水として利用する全温水回収仕様ガスコージェネの場合。蒸気・温水回収の場合は80.5パーセントとなります。
(注2)回収した熱をすべて温水として利用する全温水回収仕様ガスコージェネの場合。蒸気・温水回収の場合は9パーセント軽量化となります。
以上