観測飛行
ドロップゾンデ観測プロジェクト
名古屋大学 宇宙地球環境研究所が計画する台風直接観測に向け、観測に用いられる明星電気(株)製のドロップゾンデシステムをG-IV型機に装備しました。
今後、台風や線状降水帯の観測飛行を始め、様々な気象観測の要望にお応えします。
南極皆既日食撮影プロジェクト
2003年11月24日、南極でみられる皆既日食を上空から撮影するため、日本から南アフリカを経て、南極のロシア基地ノボラザレフスカヤ飛行場に降り立ちました。日本のジェット機が大陸を横断して南極に降り立ったのは日本初のことでした。
日食当日は南極にしては奇跡的に快晴・微風の状態で、計画とおりノボラザレフスカヤ基地周辺上空から皆既日食をハイビジョン撮影し、NHKで日本のお茶の間に同時生中継することに成功しました。
PALAUプロジェクト
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、熱帯領域における温暖海面上の降水プロセスおよび大気と海面の相互作用メカニズムを理解することにより、温暖海面上の積雲対流の構造と機能を解明する観測を行いました。当社の航空機はパラオ共和国を基地にし、観測船「みらい」と同時観測をするため赤道付近の積雲の上空からドロップゾンデと雲レーダで観測を行いました。
PALAU:Pacific Area Long-term Atmospheric observation for Understanding of climate change
PEACEプロジェクト
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は西太平洋域での今後の大気環境の変動を予測するため、オゾンや前駆気体を含む成分のアジア大陸からの輸送および化学反応過程を定量的に把握する事を目的として、当社航空機に様々な計測機器を搭載し、繰り返し大気観測を行っています。本プロジェクトは、国外の研究者も参加した国際共同研究の一環としても大きな期待が寄せられています。
PEACE:Pacific Exploration of Asian Continental Emission
気象観測プロジェクト
大気中の物質の輸送と変質における雲の役割に関する研究、メソ降水システムの観測のための海上大気の力学構造の観測等の気象観測飛行を実施しています。観測飛行には、大気観測形態の航空機に雲粒子測定プルーブ、ガストプルーブ、マイクロ波放射計、露点温度センサ、INS等を装備し、様々なデーターを取得しました。
また、航空機よりドロップゾンデ、チャフの投下なども行っています。
PACE-7プロジェクト
「地球温暖化の原因物質の全球的挙動とその影響等に関する観測研究」の一環として、大気観測形態の航空機を用いてアラスカから沖縄、硫黄島、サイパンにいたる西太平洋域においてアジア大陸からの吹き出しに伴うエアロゾル等の分布と変質過程を対象にした観測飛行を実施しました。
人工降雪プロジェクト
夏季の水不足を解消するため、冬季のダム上空に人工的に雪雲を作る可能性を検討するため、降雪機構の解明のための基礎データを取得しました。同時に航空機から雪の核となるドライアイス等を散布し、雪の生成に対する種(核)まき効果を調べました。
AAMPプロジェクト
気候変化が最も顕著に現れる北極圏で大気観測用センサーを搭載している当社の航空機により大気微量成分の観測を行い、北極圏大気中の輸送過程や成層圏・対流圏・海洋間の物質交換・変質過程を調べました。このプロジェクトでは日本からカムチャッカ半島、アラスカ、北極点を経てノルウェー領スピッツベルゲン島まで飛行しました。
雲レーダープロジェクト
地球の気候において重要な役割を持つ雲を観測するため、当社の航空機にSPIDERと呼ばれるマイクロウェーブレーダを搭載して、上空から雲を観測し3次元分布等の状況を観測しています。
将来、全球的な雲の観測を行う雲レーダを搭載した衛星の実現に必要な性能評価も行いました。
関連ウェブサイト:http://www.nict.go.jp/publication/CRL_News/0003/spider.html
BIBLEプロジェクト
オーストラリアやインドネシアで起きている大規模森林火災や頻繁に発生する雷が地球環境に及ぼす影響として、オゾンによる紫外線の吸収や強い温室効果、その前駆気体である窒素酸化物などの大気科学成分と大気輸送過程を研究するため、現地上空での直接分析および空気のサンプリング等を実施しています。
当社の航空機を改修して翼端パイロンの追加やエアロゾルの採集口など種々のセンサーを搭載しました。
SARプロジェクト
地球環境計測および災害監視分野の研究データを取得するため、情報通信研究機構(NICT)が開発した次世代航空機SAR(Pi-SAR X3)をG-IV型機に装備しました。
関連ウェブサイト1: https://rri.nict.go.jp/news/20220201_pi-sar.html
関連ウェブサイト2: http://www2.nict.go.jp/res/