ウォールデスラッガ(S-3E-III)

ボイラの性能を維持するためには、伝熱表面を常に清浄にしておくことが必要です。
そのためにはボイラに合ったスーツブロワを装備することが重要です。
ウォールデスラッガS-3E-IIIは、微粉炭焚ボイラ等の火炉壁管を効率よく除煤し、360度あるいは任意の角度の範囲を噴射するなど、使用条件に合った効果的な除煤装置を提供します。

S-3E-Ⅲ

特長

1.1組のギヤボックス

差動歯車機構の採用により、移動及び回転の速度が異なる2つの動作を1組のギヤボックスとし、省スペース化、省メンテナンス化を実現しました。

2.構造の簡略化

噴射媒体流路の改善により、構造の簡略化を図りました。

3.屋外設置形

屋内外問わず設置可能なよう屋外形を標準としました。

4.耐久性のあるスイベルチューブ

スイベルチューブの前後進速度を速くし、ノズルヘッドへの熱衝撃を軽減することで耐久性を高めました。
また、噴射はゆっくりと緻密な除煤を行うようにしました。

5.正確な噴射位置

【噴射開始位置】
火炉壁管に近づきすぎればボイラに悪影響を及ぼす可能性があり、遠すぎれば除煤効果が低下します。

【噴射角度】
覗き窓やコーナー部を噴射するとボイラに悪影響を及ぼす可能性があります。

矢印

噴射開始位置、噴射角度範囲を個別に設定可能です。

正確な噴射位置

6.耐久性の優れたヘッドバルブ

フレキシビリティーを持たせたバルブステムを採用すると共にシート部にはステライトを肉盛りし、シール性及び耐久性に優れたヘッドバルブとしました。

7.効果的な除煤

ノズルヘッドが停止した状態でゆっくりとした噴射を行うことで、効果的な火炉壁の除煤を実施します。

効果的な除煤

(1)移動速度

移動速度:約3.4m/min.
(噴射開始位置まで約4.5秒(注1)で到達)

(2)回転速度

回転速度 : 約1min.-1
(噴射時間約1分(注2))

  • 160Hz、トラベル270mmの場合
  • 260Hz、360°噴射の場合

8.優れたシール性

グランドパッキンは特殊材料の採用でシール性の向上と寿命延長を図りました。

9.簡単なメンテナンス

ユニット化した部品構成によりメンテナンスが容易にでき、組立分解を簡単にしました。

10.据付けが簡単

運転後、除煤状況、管の減肉の状況によって微調整したい時、また、初期据付時に微調整したい時、噴射開始位置は設定値±25mm、噴射角度は±5度まで容易に調整が可能です。

据付けが簡単

11.簡単な外部配線

端子箱の設置により外部配線を簡単にしました。

12.給油箇所の減少

給油箇所を少なくし、メンテナンスを容易にしました。

13.据付性の向上

本体に対してスイベルチューブの中心を偏心させた、右勝手、左勝手を用意し、狭い据付スペースでも配置可能なよう配慮しています。

据付性の向上

作動

本機は架台をベースに、ギヤボックス、ラック、スイベルチューブ、ヘッドバルブ及び弁開閉機構等から構成されています。モータの出力は差動歯車機構を採用したギヤボックスへと導かれ、ラック&ピニオンを介し、スイベルチューブを前進させます。前進端では、移動側を拘束し、移動を止めると同時に回転側の拘束を解き、定められた角度を噴射しながら、1回転した後、モータを逆転させます。モータ逆転時、再び回転側を拘束し回転を止めると同時に、移動側の拘束を解きスイベルチューブを所定の位置まで後退させ、作動を終了します。

構造

S-3E-Ⅲ_構造

寸法

S-3E-Ⅲ_寸法

右勝手:本体に対してスイベルチューブの中心を右側に配置
左勝手:本体に対してスイベルチューブの中心を左側に配置