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三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC)は、大分市から大型ごみ焼却施設「福宗環境センター清掃工場」の長寿命化工事を受注した。稼働16年目に入った438トン/日の処理能力を持つストーカ炉(注1)設備を改修し、延命措置を講じるとともに省エネルギー化をはかる。完成は2015年3月の予定。
同清掃工場は、三菱重工が建設し、1997年4月に完成したもの。146トン/日の三菱マルチン式ストーカ炉3基を中心に、排熱回収ボイラー・蒸気タービン発電設備などで構成される。
今回受注した工事は、ごみの受け入れ供給設備、燃焼設備、通風設備や電気計装設備などを対象に、主要機器の更新と改造を行うもの。また、MHIECが特許を持つ低空気比・高温燃焼技術の採用により排ガス量を低減させて安定燃焼を実現し、消費電力を削減。併せて、各種モーターをインバータ制御とすることなどにより省エネ化をはかり、CO2排出量を年間3.6パーセント(約238トン)以上削減することで、地球温暖化抑制にも寄与する。
廃棄物処理施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改修・改良工事は、財政難で新規施設の建設が難しい地方自治体の状況を反映して増加傾向にある。加えて、国が2010年度に廃棄物処理施設の延命・省エネ化に対する交付金支援制度(注2)を創設したことで、さらに活発化している。
MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富なごみ処理施設の建設・運営ノウハウを継承。多数の実績に基づく、建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。今回の受注とこれまでのごみ処理施設長寿命化・延命化工事に関する実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらには維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていく。
(注1) ストーカ炉は、耐熱金属の角材を並べた床の上で、ごみなどの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、都市ごみ焼却炉の主流。
(注2) 環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化対策に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、CO2削減率に応じて事業費の2分の1もしくは3分の1が交付される。
担当窓口:O&M事業本部営業企画部