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三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC)は、兵庫県宝塚市からごみ焼却施設「宝塚市クリーンセンター」の基幹的設備改良工事を受注した。稼働開始から24年が経過した320トン/日の処理能力を持つストーカ炉(注1)設備を改修し、延命措置を講じるとともに蒸気タービン発電機の出力アップならびに、省エネルギー化をはかる。完成は2015年3月の予定。
同施設は、三菱重工が建設し、1988年10月に完成したもの。160トン/日のストーカ炉2基を中心とした各設備で構成される。
今回受注した工事は、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備、通風設備や余熱利用設備などを対象に、主要機器の更新と改造を行うもの。併せて、ごみ焼却炉の排熱を利用したボイラーから発生する蒸気温度を上げ、現行のタービン発電機を800キロワットから925キロワットに出力アップすることなどにより施設内消費電力の自家発電率向上や省エネ化をはかり、CO2排出量を年間20パーセント(約800トン)以上削減することで地球温暖化抑制にも寄与する。また、MHIECが特許を持つ触媒バグフィルタの「ハイブリッドバグフィルタ®」を採用することにより、これまで排ガス中のダイオキシン類を低減する目的で使用していた活性炭を不要とし、ランニングコストの削減をはかる。
廃棄物処理施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改修・改良工事は、財政難で新規施設の建設が難しい地方自治体の状況を反映して増加傾向にある。加えて、国が2010年度に廃棄物処理施設の延命・省エネ化に対する交付金支援制度(注2)を創設したことで、さらに活発化している。
MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富なごみ処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく、建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。ごみ処理施設長寿命化・延命化工事の受注は、先の大分市、秋田県の能代山本広域市町村圏組合に次いで今回が本年度に入って3件目。同社は今後、この連続受注とこれまでの実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらには維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に行い、受注拡大につなげていく。
(注1) ストーカ炉は、耐熱金属の角材を並べた床の上で、ごみなどの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、都市ごみ焼却炉の主流。
(注2) 環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化対策に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、CO2削減率に応じて事業費の1/2もしくは1/3が交付される。
担当窓口:O&M事業本部営業企画部