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ごみ焼却設備からのCO2分離、回収、有効利用に関する実証試験を開始、三菱重工グループのMHIENGとMHIECが横浜市、東京ガスと協働

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◆ カーボンニュートラル社会の実現に向け4者の知見を融合、官民一体でCO2の循環利用目指す
◆ MHIENGがCO2回収装置を設計・製作し、MHIECが装置の据付工事を実施
◆ MHIENGとしては初となるごみ焼却設備へのCO2回収装置適用で、事業機会の拡大を加速

横浜市資源循環局鶴見工場

三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG、社長:寺沢 賢二、本社:横浜市西区)と三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC、社長:菱沼 隆之、本社:横浜市西区)は、横浜市ならびに東京ガス株式会社(本社:東京都港区、以下、東京ガス)と共同で、ごみ焼却設備(一般廃棄物焼却施設)からのCO2分離、回収ならびに有効利用を検討する実証試験を開始します。カーボンニュートラル社会の実現に向けて4者が協働するもので、このほど覚書が締結されました。

この実証試験は、MHIECと横浜市が有するごみ焼却設備の運営に関するノウハウと、MHIENGの高性能なCO2回収技術、さらに東京ガスの水素・CO2利用に関する知見が融合し、家庭から出たごみの焼却により発生する主にバイオマス由来のCO2を排ガスから分離・回収の上、有効に循環利用する検討を行う官民一体の取り組みです。

具体的には、MHIECが横浜市に納入したごみ焼却設備「鶴見工場」に三菱重工グループのCO2分離・回収技術を適用します。MHIENGが独自のプロセス技術によるCO2回収装置を設計・製作し、MHIECが装置の据付工事を実施。排ガスから分離・回収された高純度CO2は、東京ガスにより横浜市鶴見区の同社横浜テクノステーションなどに輸送され、水素と反応させてメタンガスを合成するメタネーションへの利用に加えて、産業ガスなどに直接利用する研究に使用されます。

ごみ焼却設備にCO2回収装置を適用するのはMHIENGにとって初の試みです。今回、設計・製作される回収装置は、各種産業設備へも適用可能な回収量0.3トン/日の小型CO2回収装置で、多様な排出源や幅広い排出規模へのCO2回収技術適用拡大を目指すMHIENGの製品ラインアップがより一層拡充されることになります。さらに三菱重工グループにとっても、社会インフラ設備からの一貫したCO2分離・回収の実施により、今後の日本国内における脱炭素ニーズに対するカーボンネガティブソリューションを提供できるという点で意義があります。

三菱重工グループでは、エナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでおり、CO2エコシステムの構築はその中の柱の一つです。CO2を回収して転換利用や貯留を行うCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)は、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として注目されています。エナジートランジション戦略の一翼を担うMHIENGとMHIECは、今回の実証試験を通じて地球規模での温室効果ガス排出削減に貢献するとともに、環境保護に寄与する取り組みを継続していきます。

MHIENGのCO2回収技術について

MHIENG(当時、三菱重工)は、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術「KM CDR Process™」や「Advanced KM CDR Process™」の開発に取り組んでいます。2022年2月現在、KM CDR Process™を用いたプラントを13基納入しており、現在、さらに3基建設中です。MHIENGは、この分野における世界のリーディングカンパニーです。詳しくは以下のURLをご覧ください。

【担当窓口】
三菱重工エンジニアリング株式会社
三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社