社員インタビュー
(所属・役職は掲載当時のものです)
R. Shimizu
所属部門 | プロジェクト部 |
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役職 | 上席主任プロジェクト統括 |
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Interview
この仕事を選んだ経緯
小学生の頃、NHKの「週刊こどもニュース」という番組で、高速増殖原型炉「もんじゅ」の特集を目にしました。当時は、自分が将来「もんじゅ」で仕事をする日が訪れる(詳細後述)とは思いませんでしたが、「使用した以上の燃料を産み出せる夢の原子炉」という言葉に、ワクワクしたことを覚えています。
大学院では経営工学を専攻し、就職活動では金融やコンサル、航空や鉄道など幅広い業界を見ていました。その中で、「日本が世界をリードする産業界で、エネルギー・環境問題の解決に寄与したい」という想いが強くなり、小学生の頃に興味を抱いた、高速炉に関わる企業を志望することにしました。
高速炉に関わる企業の中でも、三菱重工業(MHI)を選んだ理由は、社員の方が明朗快活で、困難なプロジェクトを成し遂げようとする気概を感じたからです。業界研究を通じて、MHIが日本の高速炉開発の中核企業に選定されていることも知りましたが、一番の決め手は会社の雰囲気でした。この環境であれば、いかなる状況でも前向きに、誇りを持って仕事に打ち込めそうだと感じました。
入社後の業務内容
MHIに入社後は、「特定の技術分野を深掘りするよりも、幅広い視野と見識を持つゼネラリストとして活躍したい」という想いを上司に伝えました。その甲斐あって、1年目に当社(MFBR)で高速炉設計の基礎を学んだ後、2年目以降はMHI本社において、高速炉を取り巻く中枢で原子力政策の動向調査に携わり、その後はMHI神戸造船所において、軽水炉の再稼働対応の機器設計や、福島第一原子力発電所の廃止措置対応のロボット開発を担当するなど、入社後数年のうちに様々な経験を積み、視野を拡げたいという希望を叶えて頂きました。
そして7年目からは遂に、小学生の頃ニュースで見た「もんじゅ」に出向し、顧客組織の一員として高速炉の設備運用や保全(点検、補修、改造)の業務を取り纏めながら、渉外窓口とも一丸となって原子力規制庁との折衝に臨むなど、充実した日々を過ごすことができました。顧客の立場を理解することに繋がったこの経験は、今でも自分の礎です。その後10年目からはMFBRに出向し、現在に至るまで、日本の次期高速炉の設計検討、並びに日仏・日米の研究開発協力のプロジェクトの取り纏めを担当しています。
現在の業務の醍醐味は、これまでの幅広い経験を活かして、入社前に抱いた「日本が世界をリードする産業界で、エネルギー・環境問題の解決に寄与したい」という想い、そして「ゼネラリストとして活躍したい」という理想のキャリアを実現しつつあることです。今後は、次期高速炉の建設・運転開始に向けて、日仏・日米といった国際協力プロジェクトを先頭に立ってリードしながら、国内のみならず世界基準となるプラントを開発できるよう、地球スケールでの高速炉開発を牽引していきたいと思います。
ワーク・ライフ・バランス
プライベートでは、妻と協力しながら2歳児の子育てに奮闘中です。MHI及びMFBRでは男性の育児休業や時短勤務が認められており、実際に活用している男性社員もいます。私の場合は「制度を利用しなくてもフレキシブルな勤務が可能である」というポジティブな理由から、新型コロナ禍以前から認められていた在宅勤務と出社を併用しつつ、通常勤務の継続を選択しました。
事前に会社に申請の上、リモートワークを活用し、終業後は家族と一緒に過ごす時間にしています。住居しているMHIの駒沢社宅は抜群のロケーションにあり、時には目の前にある駒沢オリンピック公園(徒歩1分!)で思い切り遊んだ後、一緒にお風呂に入って汗を流すなど、毎日が賑やかで楽しいです。このような働き方が可能なお蔭で、妻や子供を含めた家族全員が、心身ともに充実した生活を送れていると感じます。
MHI及びMFBRは、ワーク・ライフの両面において、個々の志を尊重してくれる柔軟な組織です。「意志あれば道あり」と言いますが、会社の支援によるプライベートの充実・安心があってこそ、仕事を「志事(しごと)」に昇華し、信念を持って道を切り拓いていけると思います。学生の皆さんも、私たちと一緒にその志を実現してみませんか。
T. Oshima
所属部門 | 炉心・安全設計部 |
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Interview
入社経緯
高校生の頃から地球温暖化問題に興味があり、CO2を排出しないエネルギー源を深く知りたいと思ったため、原子力を専攻する学科へ進学しました。大学1年目の講義で、原子力発電所を見学する機会がありました。そこで、福島第一原子力発電所の事故の反省を生かした新たな安全対策や、日本のエネルギー問題について説明を受けることができ、原子力発電所は依然として重要な電源であると知ることが出来ました。その後も講義や研究活動を通してエネルギー問題に詳しい方とお話しする機会に恵まれ、就職活動では原子力業界技術的な業務に専念できるメーカーに入社したいと考えるようになり、三菱重工業へ入社しました。入社後は三菱重工業で軽水炉の炉心設計業務に4年間携り、現在は三菱FBRシステムズに出向しています。
高速炉の仕事
高速炉は実証炉の設計段階であるため、日々の業務は常に新しいことを試し、新たな知見を得ることが出来ます。弊社では若手でも業務の主担当を任せられ、大きな裁量が与えられることもあり、自分の判断が高速炉の設計を左右しているという実感を得ることが出来ます。
私の主な業務は高速炉の炉心設計となります。炉心設計とは、核燃料が装荷された炉心内における中性子の挙動やウラン・プルトニウムの核分裂の分布を専用のソフトウェアを用いて、炉心の安全性に直結する重要なパラメータを解析することであり、原子力特有の技術分野となります。今担当している日仏共同プロジェクトは、数値解析ソフトウェアが有する不確かさの評価手法の開発です。高速炉の設計ではあらゆる分野で数値解析ソフトウェアを使用していますが、ソフトウェアによる解析結果は不確かさを有しています。不確かさを適切に評価できているかということは、適切な設計が出来ているかに直結し、高速炉の性能やコストに大きな影響を与えてしまいます。上記で述べた通り担当者は大きな裁量が与えられているため、責任感を感じますが、同時にやりがいのある仕事です。
自己啓発と私生活
弊社の仕事には海外企業・研究機関との共同プロジェクトもあるため、英語のコミュニケーションスキルを必要とする仕事もあります。私のように英語が得意でない場合でも、会社が主催する英語教育や、社外の英会話レッスンへの支援を受けることができるため、実践的な英語力を身に着けた上で、安心して仕事に臨むことができます。英語の他にも、社内教育はバラエティに富んでおり、在宅勤務やフレックス出社等で社外教育も容易に受けられるため、自分が望む能力を向上させることが出来ます。
私は旅行が趣味であり、学生時代は海外旅行によく行っていました。社会人になって自家用車を持つようになるとドライブにはまり、よく自家用車で観光地や温泉を巡る旅に行っています。行った先々でご当地グルメを食べ、車の運転ばかりで運動不足が気になりますが、充実した毎日を送っています。
A. Shibata
所属部門 | 炉心・安全設計部 |
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Interview
入社まで
子供の頃から電池、アルミホイルと電球で明かりをつけて遊んだりと、エネルギーに漠然とした興味がありました。そうしたこともあり、大学では電力系統の運用に係る研究に、大学院では高速炉の構造健全性に係る研究に携わりました。大学院在学中にフランス原子力企業でのインターンシップの機会があり、パリに約3か月間滞在しました。インターンシップでは、外国語を用いたコミュニケーションの大切さと、グローバルに働くことの充実感を身をもって実感することができました。このインターンシップの過程において、パリにて三菱重工の社員の方と接する機会があり、気概を持ちつつも楽しそうに仕事をされている姿を見て、私も同じ環境に身を置きたいと思うようになりました。また、大学院で原子力に係る研究に触れ、原子力が環境保全・エネルギーセキュリティ・経済発展のトリレンマを解決し得るエネルギーであり、関連分野が工学から社会学、心理学等多岐にわたり、様々な知識・経験が要求されるチャレンジングなフィールドであることも魅力に感じました。そのような背景があり、三菱重工に入社し、原子力プラントの設計に従事することとなりました。
業務内容
三菱重工入社後は、軽水炉(PWR)のプラント制御設計を約2年半担当しました。指導員の方に親身にご指導いただいたこともあり、新たな制御方法を開発して特許を取得する機会にも恵まれました。その後、大学院にて高速炉の研究に携わっていたこともあり、三菱FBRシステムズに異動することとなりました。
異動後は主に高速炉の安全解析を担当しました。大学では電気工学、大学院で構造工学を専門としていましたが、安全解析では熱流動工学等の知識が必要となります。当初は苦戦することもありましたが、周りには優秀な方々が多く、親身にご指導いただき、すぐに業務に順応することができました。
三菱FBRシステムズに異動してから約2年後、フランスとの国際協力に対応するため、約9か月間にわたり長期海外出張する機会をいただきました。当社としては初の長期海外出張でしたが、自ら手を挙げて希望した私に対して、関係者の皆様が手厚くサポートをして下さいました。単身で赴く長期海外出張では、困難なこともありましたが、報告・連絡・相談の徹底や周囲の方々に助力をお願いすること等も含めて、極力タイムリーに対応することを強く意識することで、結果的に計画通りに完遂することができました。勤務後には、フランスの友人と近場の湖に泳ぎに行くことや登山に行くこともあり、フランス文化に触れて非常に充実した日々を過ごすことができました。帰国の直前には、同僚・友人にパーティに招待いただき、長期海外出張の達成感はなんとも言えないものとなりました。
帰国後は主に日仏国際協力のシビアアクシデントタスクの取り纏めを担当するとともに、安全解析のみならず国際的な安全設計ガイドラインの検討等、幅広い業務を任されています。国際会議では日本人は比較的大人しいとされていますが、私は率先して発言することを心掛けており、大学院時代のインターンシップ経験及び当社での長期海外出張の経験が、現在の業務に非常に役立っています。
ワーク・ライフ・バランス
新型コロナの影響により、現在は在宅勤務がメインとなっています。在宅勤務時は、フレックス制を利用し定時より早めの午前7時頃から勤務することが多いのですが、時には早めに勤務を終えて、子供達を連れて東京ドームに野球(都市対抗野球)を観戦しにいくこともあります。国際会議にオンラインで出席する際には、時差の関係で午後7時位まで残業をすることもありますが、自分の裁量でコントロールすることができる仕事も多くあることから、ワーク・ライフ・バランスは非常に充実していると感じています。当社には優秀な仲間と切磋琢磨しながら、グローバルなエネルギー問題の解決に取り組むことができる充実した環境があります。
R. Shimada
所属部門 | プラント設計部 |
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Interview
業務内容
私の主な担当業務は機器設計です。具体的には高速炉の制御棒駆動機構の設計やそれに係る研究開発業務を行っています。機器設計では、過去の検討経緯を正しく理解して、その上で現状の設計に不足している要素を考えることや、現場に赴いて様々な経験を積むこと、客先との折衝能力、時には前提条件を覆すような提案力等、様々な能力が設計者に求められます。多能な設計者を増やすという上司方針の基、若いうちから主担当業務を任せられており、日々できることが増えているな、と実感できます。
仕事のやりがい
私が思う仕事のやりがいは、高速炉の必要性やスケールの大きさはもちろんですが、何よりもその分野の第一人者へと成長し続けていける、というところです。弊社は高速炉の開発の中核を担っていることから、「担当機器に一番詳しくなる」=「その担当機器の第一人者になる」と私は考えており、モチベーション高く業務に打ち込んでいます。
志望動機、学生へのメッセージ
大学から原子力分野を専攻し、原子力発電の必要性を学びました。また、高速炉は、従来の原子炉よりも高いエネルギーの中性子を多く産み出すことから、ウラン資源の有効活用や放射性廃棄物の核変換が可能であることに興味を持ちました。そのため、大学院では高速炉を用いた放射性廃棄物低減と核燃料サイクルの検討をテーマに研究に取り組みました。(高速炉の利点、核変換、核燃料サイクル等の詳細はこちら!)
大学院での研究が楽しかったこともあって、就職先は原子力業界のみを志望しました。その中でも高速炉という分野にこだわり、三菱重工を選びました。三菱重工で3年間働いた後、入社時の希望のとおり、三菱FBRシステムズに異動し、3年目になります。そろそろ、若手から中堅への成長を求められている立場でもあります。
機器設計を志望した理由は、学生時代に解析モデルを作成した際、「実物はどんな形なんだろうか?この形状の意味はなんだろうか?」という疑問が生じることが多く、どんどんとモノに対する興味が沸いたためです。入社当初は図面も全く読めずに苦労しましたが、学生時代の経験、知識は機器設計に活かせることも多く、周囲の人とは少し違った目線を持っていることも自分の強みだと認識しています。機器設計分野は原子力専攻に限らず、色んなバックグラウンドの方がいます。また、会社の教育カリキュラムも基礎工学から高速炉専門分野まで充実しているので、学生の皆さんには専攻に囚われず、挑戦する気持ちを持って志望してもらいたいと思います。
職場環境、ワーク・ライフ・バランス
高速炉では答えの無い検討をすることもあるので、検討に行き詰った際は抱え込まずに先輩方に相談するよう心がけており、それができる職場環境だと思います。
私生活では、2022年2月に長男が産まれ、日々育児に励んでいます。お風呂を担当しており、大体19時~20時に入るのですが、在宅勤務の機会も多く、業務と育児を無理なく両立できています。在宅勤務の日はお昼ご飯を作ったり、一番大変な妻を微力ながらサポートしています。また、積極的な有給休暇の取得に加えて、2022年6月には育児休暇も取得し、家族3人の時間を満喫しました。このように、周囲の方々にもご配慮をいただいており、ワーク・ライフ・バランスに非常に優れた職場であると思います。
R. Ikari
所属部門 | プラント設計部 |
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Interview
業務内容と仕事のやりがい
私は、高速炉の所内電力系統を構築するとともに、外部電源喪失などの事故時の安全確保に必要な電力の供給を維持する非常用電源設備の構成概念の検討や非常用発電機などの電源設備の仕様設計などの業務を担当しています。電力系統の構築には、電気設計の専門知識だけでなく、プラント全体を幅広く見渡す視野も必要であり、多くの人と技術の積み重ねで一つのプラントを作り上げていることにやりがいを感じています。また、事故時の安全確保の要として非常用電源という重要な設備の設計に携わっていることに責任とやりがいを感じています。
最近では計測制御設計に関する業務にも携わっており、MFBRでは人材育成や技術教育が充実していることもあり、技術の幅広げや新しい分野へのチャレンジもできる職場です。
職場環境とライフワークバランス
私生活では子供が二人おり、仕事と育児の両立に悩むことも多く、慌ただしい日々を過ごしていますが、充実した各種制度や職場環境、家族のサポートに支えられて、公私ともにやりがいを維持して仕事を続けられています。三菱重工グループでは、働く一人ひとりがダイバーシティを理解・尊重し、実現する企業文化・風土の醸成を目指しており、育児や介護といったライフイベントやプランに合わせて、フレックス勤務制度や在宅勤務制度、育児勤務制度等が非常に充実しています。私は、育児休業を二回取得、現在も育児勤務(短時間勤務)をしておりますが、制度が形骸化せずに活用できキャリアを継続できているのは、恵まれたMFBRの職場環境も寄与しています。具体的には、突発的なトラブルに備えた上司・同僚との情報共有や相談ができる体制があることや、技術基盤をしっかり押さえていれば比較的柔軟に業務采配ができること、長い目で見たキャリア形成のために新しい分野へチャレンジができることなどが職場環境の魅力と感じています。このような職場環境だからこそ、それに応えよう、育児勤務の限られた時間の中でより成果を上げていこうと思うことができますし、育児や家族との時間も大切にしつつ、ライフワークバランスを維持できていると思います。なお、育児(介護)勤務は利用できる条件が限られていますが、在宅勤務やフレックス勤務制度など幅広く利用できる制度も充実していますので、育児や介護を抱えている人だけでなく、いろいろな人にとっても働きやすい職場環境と思います。
学生向けメッセージ
子供のころに原子力発電所を見学し、そびえたつ巨大なプラントに憧れを感じ、人々の暮らしを支えるエネルギー産業に興味を持ちました。高速炉開発は、原子力分野の中でも特にエネルギー産業の未来を切り開いていく分野であり、多くの人と技術の積み重ねで新しいプラントを作り上げていくという巨大プロジェクトに携わることができます。学生の皆さんも一緒に未来を切り開いていきましょう。
Y. Yamada
所属部門 | 炉心・安全設計部 |
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役職 | 部長 |
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Interview
将来を見据えた長期的な研究開発
コンピューターによるシミュレーションの仕事がしたくて入社し、新型炉、主に、ナトリウム冷却高速炉の開発に従事しています。蒸気発生器の設計から始まり、当時、最先端だったスーパーコンピューターのCRAYを使用した多次元流動解析、様々な事故を想定した安全評価、その評価を行うプログラム開発等の仕事をしました。若いころは、新しい解析モデルを組み込んだプログラムを作るのが楽しくて仕方がなかったのを覚えています。高速炉は国内開発技術を採用する方針だったこと、他と比べてプロジェクトの開発期間が長かったこと等があり、じっくり腰を据えて、開発業務に従事することが出来ました。面白そうな仕事だったら、好き嫌いせず飛び込んでしまう癖があり、技術分野を気にせずいろいろな仕事をしていました。
ワーク・ライフ・バランスに関する経験談
そんな私も、「子育て中に仕事を続けるのは自分のわがままで、周りに迷惑をかけ、どちらも中途半端になっていないか」と悩んだ時期があります。その当時の上司が「子供はすぐに大きくなる。今の状況はあなたの人生のごく一部で、今思うようにできない分を、将来的に返してもらえればそれでいい」と声をかけてくれ、気持ちがすっと楽になったのを覚えています。また、大学との共同研究を実施していた関係で、社会人大学院に入学にする話が浮上しました。仕事をしながら博士号の取得に挑戦するので、これ以上忙しくなるのではないかとためらっていた時に、背中を押してくれたのもこの上司でした。目先の利益ではなく、私の将来を考えたキャリアプランまで考えていただいていたのです。博士までの道のりは、予想通り非常に大変で、自分が大変だっただけでなく、家族、特に小学生だった娘にはさびしい思いをさせてしまいましたが、なんとか博士号を取得することができました。博士号取得までの経験、それは論文の書き方等の形式的なことから、ロジカルな考え方等の精神的なことにまで及びますが、それが今の私に非常に役に立っています。
その甲斐あってか、今では管理職を仰せつかっています。この上司を見習い、将来を見据えた人材育成を肝に銘じています。また、今の私があるのは、多くの先輩や同僚の暖かい励ましと、ご指導のおかげです。一人では仕事はできない、協力してこそ、成果は何倍にもなります。本人が頑張るだけではなく、周りが協力できるような体制も整えていきたいと思っています。
このホームページを読まれている方に
自分の人生を長い目で見つめて、いろいろ挑戦してみましょう。たとえ、うまくいかなかったとしても、それは自分にとって素晴らしい経験になります。一見遠回りに見える仕事も立派な経験です、役に立たない経験なんてありません。
A. Ide
所属部門 | プラント設計部 |
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役職 | 主任 |
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Interview
地球温暖化問題の解決と、地球規模でのエネルギー問題の解決に向けた貢献
この仕事を選んだきっかけを辿れば、1997年に採択された第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)の京都議定書に行き着きます。当時中学生だった私はメディアを通じて地球温暖化問題について知り、漠然と、地球に何か大変なことが起きていると感じました。地球温暖化問題に対して自分なりに貢献したいと考えたことが、結果として原子力分野の道に進むことに繋がっています。
この地球温暖化問題を解決するためには人為的な温室効果ガスの排出量を抑制することが必要とされており、原子力技術は発電設備から排出される二酸化炭素量を抑制するための有力な手段として考えられています。さらに現在当社が中心となり開発を進めている高速増殖炉は、地球温暖化問題だけでなく、例えば2015年の国連サミットで採択されたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の「全ての人々に対するクリーンエネルギーへのアクセスの確保」、「持続可能な経済成長」、「強靭な産業基盤の整備」といった分野に対しても貢献出来ると考えています。
一流の系統設計者を目指して
入社後は一貫して高速増殖炉の系統設計に携わっています。この系統設計という設計技術は、火力プラントや化学プラントの分野ではプロセス設計と呼ばれており、各系統に課された目的を達成するためのプラント構成や仕様、運用を決定するプラント設計の最上流に当たります。原子力プラントには多数の系統がありますが、この系統設計は、機械、電気・計装、熱、流体などといった技術的な知識を基に、プラント全体に亘る一つ一つの技術分野を統合する役割も担っています。さらに原子力プラントの場合は前述の技術分野に加え、放射線安全や炉心(核、熱)といった分野も加わります。このため、得るべき知識の幅はとても広く、かつそれらのバランスを取ることは容易ではありません。単純に個々の技術分野を足し合わせるだけではプラントは出来上がるものではなく、出来たとしても非常に高価な製品になってしまいます。
ここで重要となるのが全体最適という視点です。今後、一流の系統設計者として高速増殖炉の開発を推進するために、自分が専門としている技術分野だけでなく、他の技術分野の特性を理解した上で、個々の技術分野の部分最適を超え、プラント全体の最適解に向けて設計を前に進めることを常に意識しています。
私が今参画しているプロジェクトは大きく二つ、日本国内に立地する高速増殖炉の開発と、日仏共同によるフランス立地の高速炉の開発です。前者では、燃料取扱設備と呼ばれる、新燃料をプラントに搬入してから使用済燃料を搬出するまで、核燃料を安全に取り扱うための一連の設備の設計を担当しており、この業務を通じて系統設計に必要な知識に加えて複数の技術分野に亘る設計のマネジメント能力を養いました。この能力を活かしつつ、後者のプロジェクトでは崩壊熱除去設備と呼ばれる、プラントで事故が起きた際に燃料を安全に冷却するための設備の設計を取り纏め、客先である仏国との技術仕様の調整並びに報告を行っています。いずれのプロジェクトにおいても、原子力発電所を構成するほぼ全ての技術分野と調整しながら、全体最適を図り設計を前に進める能力が求められます。また、設計をマネジメントするには、技術的な能力だけではなく、客先、同僚技術者、協力会社の技術者といった方々との信頼関係の構築が非常に重要です。労力を要する作業であるほど人には頼みにくいものですが、周囲の協力を得なければ仕事を前に進めることが出来ません。指示する内容が悪ければ周囲の方にムダ作業を発生させてしまいます。しかしプロジェクトメンバーと協力しアウトプットを1+1=2ではなく3にも4にも仕上げるのはマネジメントの醍醐味です。多くの方々と協力しながら設計を進める経験の中で得る知識や技術もまた、系統設計者としての自分を成長させてくれます。
次世代の原子力技術の開発に向けて
原子力発電所が必要と判断されている以上、福島第一原子力発電所事故の反省を活かした安全性向上のための継続的な活動は必須です。一方、安全性向上対策には相応のコストが掛かるため、他電源に対する原子力発電所のコスト競争力を損ねてしまいます。高速増殖炉が実用化されるまでには数十年という長い時間がかかりますが、コスト競争力を兼ね備えた再生可能エネルギーや蓄エネルギー技術が台頭すると考えられる近い将来、高速増殖炉に求められる役割は今のままではないかも知れません。このため、将来の日本のエネルギー政策や世界のエネルギー需要を見据えた発想とそれに向けた方針設定が必要となります。
当社はこのように非常にスケールの大きい仕事に真正面から取り組むことが出来る会社です。この会社で私がやりがいを感じるのは、自分も地球規模の問題の解決に貢献できると思えることです。このやりがいが仕事への誇りを生み、責任感が生まれます。
現在就職活動されている学生の方へ。答えは走りながら探せば良いので、必ずしも明確なキャリアビジョンを描いた上で就職活動する必要はないと思います。学校で学ばれたことはもちろん重要ですが、変化が速い今の時代、会社に入ってからも勉強し、成長を続けることの方が重要です。将来の自分の姿を思い描く際、自分が何に対してワクワクするか、シンプルに自分の気持ちを感じてみて下さい。この「ワクワク」が仕事選びの道標になると思います。
原子力の未来は明るいものばかりではありませんが、原子力技術の可能性を信じることができる方、共にチャレンジしてみませんか。
H. Saito
所属部門 | 炉心・安全設計部 |
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役職 | 主任 |
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Interview
技術を通じた社会貢献を
学生時代は鉄鋼材料及び形状記憶合金に関する研究をしており、高速増殖炉とは接点がありませんでしたが、東日本大震災発生前であり、「原子力ルネッサンス」と言われていた時期でしたので、漠然と原子力業界も良いなと考えていました。就職活動中にたまたま目に入った原子力関係の記事に、「使用した燃料以上に燃料を生み出す夢の原子炉」と紹介された高速増殖炉のことを知り、「技術を通じた社会貢献」をしたいと考えていた当時の私は非常に心惹かれ、高速炉設計の中核メーカーである三菱重工業に入社を決めました。幸運にも入社後直ちに三菱FBRシステムズに配属となり、念願であった高速炉の炉心燃料設計に携わることができました。
私の主な業務は炉心燃料設計であり、高温・高照射量という厳しい環境下で使用される燃料ピンが運転中に破損しないように設計します。具体的には、炉心燃料の温度や強度を計算し、その結果に対して適切な裕度を持たせることで安全・健全性を確保しながら、合理的な設計を目標とします。
これらの計算に使用するソフトは多くの場合、市販されていないため、自分達で開発する必要があります。例えば、燃料集合体内では多数の燃料ピンが束ねられており、熱応力等により生じる燃料ピンの変形は燃料ピン同士の接触を考慮する必要があるため、大規模な接触問題を解く必要があります。市販の解析ソフトでは短時間で解くことができないため、自分達で開発に取組み、結果として計算時間を秒単位迄に短縮することができました。
このようなソフト開発業務は多々あるわけではありませんが、自身の知見を広げられること、これまで不可能であったことを可能にすること、また、これを活かすことで三菱独自の炉心燃料設計も可能となるので非常にやりがいのある仕事です。
ワーク・ライフ・バランス
弊社では、定型化されていない業務も多く、若手のうちからチャレンジングなテーマにも主体的に取組める機会があります。最近では若手の間でAI技術の勉強会を実施し、その成果を反映した新たな設計方法の開発も試みられています。また、ソフト開発についても、私が担当を希望したところ、未経験であるにも関わらず受け入れられました。さらに、弊社は在宅勤務やフレックス出社等の制度も整備されており、自分にあった働き方をすることで、公私共に充実した日々が送れると思います。
学生時代はテニスに、社会人になってからはゴルフに熱中しました。現在は、息子と遊ぶことに熱中しており運動不足中ですが、充実した毎日を送っています。楽しみは、週1で大好物のうなぎを食べること、有給休暇を利用して遊園地で息子と遊ぶことや読書等です。
T. Ichihara
所属部門 | プラント設計部 |
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役職 | 主任 |
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Interview
高速炉開発の仕事
私は、原子力事業の中で主に高速炉の熱交換器の設計を担当しています。設計とは言いますが、図面を引くのではなく、熱交換器の伝熱性能や構造健全性、製作性等を評価しながら、熱交換器の構造を具体化していくような業務になります。
この仕事のやりがいは、若い時から機器の設計担当を任されるため、責任をもった仕事ができることです。安全で、性能が良く、作りやすく、品質の高いものになるよう、設計していく必要があります。そのためにも、過去の評価内容を学び、周囲の有識者の方に相談しながら、評価をどうしていくべきか、構造をどうするのかを自分で判断していきます。さらに、その判断をお客様にも理解していただく必要があるのですが、その説明も若い時から機器の設計担当に任されます。ここには書けないような失敗ももちろんありますが、それ以上にやりがいのある仕事だと感じています。
高速炉の開発はいつも順調というわけではありません。長い年月をかけて高速炉の技術を積み上げていくことが重要だと思っています。そのためにも、今自分にできることは何かを常に考え、設計作業を進めていき、高速炉の技術を後世につなげていきたいと思います。
入社経緯~現在のワーク・ライフ・バランス
学生時代は自動車関連の研究を行っていました。就職活動をしていた時には、漠然と、技術的な業務ができ、人の生活の根幹に携わるようなことができないかと考えていました。そんな時に、三菱重工に出会い、ものづくりに対するプライドを感じ、また、人の生活の根幹に係わるインフラ事業を数多く手掛けていることを知りました。数ある事業の中で、私は特に原子力事業の「新型炉」に興味を持ち、新しい分野で自分の能力を磨き続けたいと思い、三菱重工を選びました。そして現在、「新型炉」の設計の中核であるこの三菱FBRシステムズに出向しています。
入社してから、熱交換器の設計だけでなく、検査装置の開発や、既存プラントの設備点検等、多くの製品、業務に携わることができました。入社9年目の今でも、新たな業務を担当することもあり、自分の能力を磨き続けられる環境にあると感じています。
2017年12月に3人目の子どもが産まれ、妻をできるだけサポートできるよう、週末は育児に奮闘しています。また、この会社では、フレックス出社が可能なので、子どもの幼稚園の朝の送りをしてから会社に行くこともあります。また、有給休暇を積極的に使うこともできるので、平日の幼稚園行事にも参加するよう心がけています。毎晩、息子、娘たちの寝顔を見て、「明日も仕事をがんばるぞ!」と心の中で思っています。