望月 雄馬
1年目 | 建築工事グループに配属 現場安全施工管理(教育期間・基礎知識を習得)
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2年目 | 品質管理を任される |
3年目 | 施工手順書作成にも携わるようになる |
4年目~5年目 | 重工工事グループ、土木工事グループに所属 現場安全施工管理。工程管理も担当。
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海にできる道を地上で築く
建築から土木に移り自分の中でも変化が
今、担当しているプロジェクトはハイブリットケーソンの製作です。ケーソンというのは、防波堤や船着き場の土台となる構造物で、いわば「海にできる道」。鋼板とコンクリートを複合(ハイブリッド)しているので、従来の鉄筋コンクリートよりも軽量化でき、耐震性・施工性にも優れています。
今は工場で構造物をつくっている段階で、鉄骨の周りに生コンクリートを流し込む作業をやっています。その際、現場の作業手順を示した「コンクリート打設計画書」を作成し、現場で計画通りに実施されているか管理するのが僕の役目です。
僕は建築から土木に移ったので、仕事の規模の大きさに圧倒され、コンクリートの品質管理に対する意識も変わりました。今回は素地仕上げなので、ひび割れやコールドジョイント(打設の前後でできる継ぎ目)などが発生すると見た目も悪く、強度面での施工不良につながるので非常にシビアです。施工管理者としてそれを防ぐために、いかに確実に、わかりやすく現場の人に作業手順を伝えるか考えて作図し、言葉でも伝えるようにしています。
あと、生コンクリートは化学反応で熱を帯びるので、現場で働く人が熱中症にならないよう、タイミングを見計らって水分補給や体調確認のため一人ひとりに声をかけることも大切です。みんなの協力があってできる仕事なので、お互いに味方であるような環境をつくりたいと思います。
この工場は元は船を浮かべていたピットなので、将来的にケーソンが完成したら水を直接入れて浮かせ、船で曳航して海に浮かべます。実際に誰かが使うインフラになるのだと思えばやりがいも大きいですし、自分の成長も感じられて嬉しいですね。
まさか?という駆け出しの頃の失敗が
施工管理の本質と魅力に気づかせてくれた
仕事をする上で特に大切にしているのは「確認すること」です。これにはちょっと失敗談があって、あえてお話しますけど、僕がまだ駆け出しで寄宿舎の新築工事の墨出しをしていた時のこと。墨出しというのは、平面図に基づいて実際の壁や床に図面通りの線を出し位置やサイズを表示したもので、それに基づいて作業が進むので失敗が許されない仕事なのです。
でも、実際に工事をしてから扉の位置に統一がとれていないことに気づき、元の平面図を見返したら間違ってなくて。僕が1人で測量して墨出ししたので、明らかに僕の責任です。わかった時は青ざめて所長に報告するのを10秒ぐらいためらいましたよ(笑)。
結局、扉を取り壊し工事をやり直して余分なコストも手間もかかってしまいました。それ以来、仕事の中で一番時間をかけるべきことは「確認」だと肝に銘じています。ただ漠然と気をつけるのではなく、その日やるべき仕事は何か、確認すべき領域は何か、しっかりと決めて図面はもちろん文言までチェックするよう心がけています。
建築も土木もやることの軸は変わりません。建築の施工管理は人が生活や仕事をしていくための建物を建てるだけではなく、付属する機械設備の基礎や支柱もつくります。実際に使う人にとって、その基礎や機械・壁・扉などがその位置でいいのかをミリ単位で決めていきます。それらにはすべて理由があり、納得できるものです。それをしっかり追究し、より良いものをお客様に引き渡せるよう頑張ること。そこにこそ施工管理の魅力を感じています。
資格取得支援制度で一級建築士に合格!
1年ごとにスピード感をもって成長したい
先ほどの話でもわかると思いますが、MHI-TC(当社の略称)は新人の失敗でも責めずにカバーしてくれ、皆さんいい方ばかりです。上司はよく相談に乗ってくれ、僕が風邪で休んだ時は差し入れしてくださったこともあります。風通しのいい雰囲気や人間関係についてはまったく文句を言うことがありません。
また、やる気のある社員をサポートしてくれる制度も充実しています。
僕は入社1年目から一級建築士の勉強のため資格スクールに通いましたが、一級建築士の資格を取得すると学費を会社が援助してくれます。合格した時には取得報奨金もあるのでやる気が出ますね。ただ、難しい資格なので、3年通って4年目にやっと合格できました。
僕は与えられたものだけで1年1年を過ごしたくありません。これからも会社が援助してくれる制度は有効に使って、1級施工管理技士や技術士の資格にもチャレンジし、スピード感をもって自己成長できるよう、自分の考えで行動していきたいと思っています。
MHI-TCでは他にも設計実習(育成制度)というものがあり、施工管理で入社した人も、見識を広めるために一定期間、設計業務を行うことができます。実際に設計士がどのように考えて図面を引いているのか、実地で学ぶのはなかなかできない経験ですね。
自分の中で明確に目標をつくり、それが自分の力で実現できるのは幸せなことです。MHI-TCは多くのチャンスを与えてくれる素晴らしい環境だと思います。
学生の皆さんへメッセージ