野口 豊剛
1年目~5年目 | 土木設計グループに配属 設計課で主に基礎設計を担当 |
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6年目~10年目 | さまざまな発電プラント設計の他、スーパーバイザー(SV)として現場管理・監督業務も担当 |
10年目~15年目 | 全国の発電所プラントの設計を担当 他社の造船所派遣で新設造船所の企画に携わる 主任に昇進し、現場での裁量責任が増す |
15年目~24年目 | 主席技師(設計長)に昇進 土建工事担当プロジェクトマネージャーとして多くの案件に関わる |
25年目 | グループ長として6名のグループを統括 |
地元に貢献しながら全国規模の仕事ができる
小学生の頃から、建設現場とか、重機が動いているのを見るのが好きな子供でした。それは大人になってもずっと変わらず、橋や護岸工事など大きな施設をつくることに興味があったので、大学でも土木を専攻し、入社してからも配属はずっと土木です。
最初の数年は事務所内で設計を担当し、5年目を過ぎた頃から現場を担当するようになりました。SV(スーパーバイザー)として全体の監督や建設指導をするのですが、これがとても私には向いていて、がぜん、やる気とやりがいが出てきました。やる気を出すのがちょっと遅かったかな?でも、実地で体験して、建設や土木の本質がわかればわかるほど、おもしろさが増してくる仕事だと思います。
入社を決めたきっかけは、「長崎の地で三菱関連の仕事をやる」という価値がかなり大きかったですね。幼い頃から三菱重工業が主催するスポーツ大会、祭事などに親しんでいましたし。全国的なゼネコンに入るのではなく、地元の建設会社で働くことで地域に貢献したい、という思いが強くありました。
地元の建設会社とはいえ、三菱重工グループの仕事は全国に広がっています。多くの関連会社が統合しながら今のMHI-TC(当社の略称)に成長してきたので、入社時から現在まで私個人としても仕事の規模がどんどん拡大しています。以前は長崎県や市の公共事業を請け負うことが多かったのですが、今ではJV(ジョイントベンチャー:共同企業体)として三菱重工業のグループ会社と一緒に、大規模な工事を設計から建設工事まで一連の事業に関わっています。
何もないところに新しいものを築く
ゼロから完成まで関われる土木建築の役割
今、手がけている仕事は、国内の地熱発電プラントの新設工事で、このプロジェクトは三菱グループ4社がJVとして関わっています。2年前から企画・設計を進め、今年中に正式受注となって詳細設計を開始し、完成予定は6年後。8年越しのプロジェクトですね。私の役割は土木建築工事のプロジェクトマネージャーです。
山奥の土地の造成からスタートして、基礎工事・建築工事・外構工事に至るまで、私たち土木建築は一貫して全体を取りまとめる重要な役割を担います。着工してからがスタートではなく、その前の計画段階でお客様のニーズを念入りに聞き出したり、設計担当と打合せしたり、環境アセスに関する業務の助成をすることも必要です。
発電プラントの仕事は関わる業者の数も膨大で、工程も長期にわたります。それだけの力を結集して、無から新しいものをつくること。それも人々の生活に寄与し、後世に残るものを協力してつくりあげる達成感というのは、この仕事でしか味わえないかもしれません。その中でも特に土木建築は、プロジェクトの最初から最後まで一貫して携わることができます。お客様と最初に打合せをするのも、現場に真っ先に乗り込むのも土木建築の役目。そこにこそやりがいとおもしろさがあります。
周辺の環境との調和も大切です。たとえば工事現場の排水が下流の農家に影響を与えないよう設計することも不可欠だし、国定公園が現場の時は、天然記念物の野鳥の繁殖期に音が鳴る工事は控えるとか。豪雪地帯の現場では冬は雪に閉ざされるのを前提で工程計画を立てたりなど。そうした自然や環境に対する配慮も含め、土木建築の仕事は多岐に渡っています。
社員の人柄とスキルが優れた明るい職場
ステップアップしながらやりがいを実感
私は現在グループ長を務めており、グループ内には6人のメンバーがいます。普通の企業と違うのは、グループ内の6人がそれぞれ別のプロジェクトに関わっていることです。バイオマス担当者もいれば、地熱担当者もおり、工場の機械設備や施設の設計・管理を担当している人もいる。その中で、グループ長は各グループ員のフォローも行います。年齢層も近くてお互いに遠慮がなく、1人1人のスキルも高いのでそこは非常にやりやすいですね。
土木設計の仕事は、プロジェクトの初期段階では1人で設計をすることも多いのですが、段階が進んで詳細設計になると皆で協力して行い、工事現場になれば他社の業者の方も含めたチームワークが必要です。そんな中、私はある時は社内のグループ長、ある時は会社を代表するプロジェクトマネージャー、というふうに役割が変わります。いずれの立場でも、関わる皆のモチベーションを高め、コミュニケーションをとりながら、成果を最大化できるようなリーダーシップをとっていけるようになりたいと思っています。
MHI-TCでは、新人研修からリーダーシップ研修まで充実しているので、私もグループ長になる前は半年ぐらい研修を受けました。でも、一番大切なスキルはやはり現場で身に着けるものです。今の仕事に活きている基礎設計(計算書や図面作成)やプラント計画(造成、外構、機械基礎)などは実務を通して習得したスキルです。入社して働くうちにやりがいがわかってくるということもありますので、興味があるならまずは飛び込んでほしいですね。
学生の皆さんへメッセージ