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◆ 開発パートナーの「おさぜん農園」が2022年から試験導入、2023年からは「夏のいちご摘み体験」を提供
◆ 高付加価値の夏秋イチゴ販売で、短期間の投資回収が可能
◆ 夏の外気温38.9℃環境でも高品質で安定的に収穫、イチゴの大きさも制御可能
◆ 当社グループの冷熱製品とデータ分析に基づく自動制御技術で、最適な生育環境を創出
三菱重工業は、グループ企業の菱農エンジニアリング株式会社(社長:五十嵐 正和、本社:島根県松江市)と、イチゴの生育に適した温度環境を創出することで外気温に関係なく安定したイチゴの収穫を可能にする「イチゴ周年栽培システム」を開発しました。暑過ぎてイチゴ栽培に向かない日本の夏秋を含めて、一年中甘く大きいイチゴを安定的に収穫することが可能なシステムです。京都府八幡市のイチゴ生産者である株式会社おさぜん農園(社長:長村 善和氏)が、2022年から本システムを試験的に導入し、外気温度38.9℃を計測した夏の猛暑下でも高品質なイチゴを安定して収穫。こうした成果を踏まえ、このほど本格受注を開始したものです。
おさぜん農園は、本システムの開発パートナーであり、2022年から本システムを試験的に導入。夏秋期でも安定してイチゴを収穫できることを確認しました。同社は、収穫したイチゴを近隣の洋菓子店にテスト販売するほか、2023年からは観光農園として一般に開放。暑い夏でも涼しい環境でイチゴ狩りを楽しめる「夏のいちご摘み体験」サービスを提供し、来場者から好評を博しています。
イチゴの栽培に最適な気温は、一般的に17~20℃前後とされています。このため、国内で気温が上がる夏秋期の栽培は涼しい気候の地域に限られ、卸売市場への供給が年々不安定になるとともに価格も上昇傾向にあり、各方面の需要家は夏秋期の安定的なイチゴの調達に課題を感じています。
イチゴ周年栽培システムは、このような課題に対して、当社グループが長年にわたり培ってきた冷熱製品と温度環境制御技術を活用して開発したものです。空調を中心とした独自の制御システムにより、栽培ハウス内におけるイチゴの生育温度および光量をデータ分析に基づいて自動制御し、外気温がイチゴの生育に与える影響を最小限に抑え、イチゴの生育に最適な環境を実現します。最適な冷却システムと独自の栽培棚が効率よくイチゴを冷やすため、エネルギーコストも低減します。
本システムの実証では、より細かく生育温度環境を調整することで収穫できるイチゴの大きさを制御することにも成功。将来的には、需要家が求める規格のイチゴを計画的に栽培できる可能性があります。また、太陽光発電設備を併設することで、CO2排出量やエネルギーコストをさらに低減することも可能です。
三菱重工グループは、幅広い製品群や環境制御技術およびデジタル技術を活用し、農業分野が直面している気候変動問題の解決に貢献していきます。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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