サステナビリティ・CSR調達の推進

サステナビリティ・CSR調達に関する方針/ビジネスパートナーの皆様へのお願い

三菱重工グループは、社業を通じて社会の進歩に貢献するものづくり企業として、社会・産業インフラを支える製品・技術を世界に提供しています。環境問題をはじめとする地球規模の課題解決に向けて、当社の製品・技術による貢献のみならず、事業プロセス全体における各種活動を通じてさまざまな社会的課題の解決に取り組み、事業と連動したCSR(企業の社会的責任)を推進しています。また、多様なステークホルダーに配慮した事業活動を展開し、得られた利益をすべてのステークホルダーの皆さまに最適に還元するとともに、卓越した製品・技術の提供を通じて、人と地球の確かな未来、「サステナブル(持続可能)な社会」を実現することを基本としています。

こうした取り組みは、私たちだけで達成できるものではなく、ビジネスパートナーの皆様と共に推進していくことが不可欠です。そこで、私たちの思いをビジネスパートナーの皆様と共有し、社会の一員として共にサステナブル(持続可能)な社会の実現を果たすべく、「サプライチェーン サステナビリティ推進ガイドライン」を作成しました(注)。つきましては、是非このガイドラインをお読み頂き、ビジネスパートナーの皆様のご理解・ご協力と、ガイドラインに沿った貴社事業活動の推進をお願い致します。また貴社のビジネスパートナーに対しても、同様に本ガイドラインの周知をお願い致します。

尚、定期的なアンケート等を通じた本ガイドラインの遵守状況の確認や、必要に応じて、ビジネスパートナーの皆様の製造拠点等への訪問をさせていただく場合がございます。加えて、本ガイドラインに反する問題が発生した場合には、迅速にご報告頂くとともに、是正処置にお取り組み頂くようお願い致します。万一、適切なお取り組みが確認されない場合には、お取引の見直しを検討させて頂く場合もございます。

  • 2025年3月、名称変更を実施し、内容を改訂。「三菱重工グループ サプライチェーンCSR推進ガイドライン」→「三菱重工グループ サプライチェーン サステナビリティ推進ガイドライン」

【三菱重工グループ サプライチェーン サステナビリティ推進ガイドライン】

1. コンプライアンスの徹底と企業倫理の醸成

ビジネスパートナーの皆様には、企業活動全般に関わるコンプライアンスを徹底するとともに、企業倫理の醸成、コーポレートガバナンスの強化、またそれらの実現を図るための体制構築・運用に取り組むよう、お願い致します。

  1. 事業活動を行っている国・地域の法令及び社会規範等のコンプライアンスを徹底する。また、遵守状況を確認・改善する体制を整える。
  2. 公正かつ自由な競争を制限・阻害する行為を行わない。また不正行為を知った社員が適切な保護のもとに、社内外の通報窓口に直接報告・相談を可能にする等、不正行為を予防・早期発見・是正するための体制を整える。
  3. 情報提供・開示を積極的に行い、社会に対する説明責任を果たし、企業としての透明性を確保する。
  4. 機密情報・技術情報・個人情報を不正・不当に取得・利用・開示・漏洩をせず、それらの情報を適切に管理する仕組みを構築・運用する。
  5. 利害関係者との間で、不適切な利益の供与や金品・サービスを要求・提供しない。
  6. 知的財産を尊重し、他社の知的財産権を侵害しない。
  7. 適切な輸出入管理体制の整備と輸出入手続きを行う。
  8. サイバー攻撃を含むコンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する適切な防御策を講じる。
  9. 自然災害・パンデミック等発生時の重要業務や事業の継続、及び早期復旧のための事業継続計画(BCP)策定に努める。
  10. 自社サプライチェーンを適切に把握し、供給リスクの管理と対策に努める。

2. 製品安全、QCDの確保と技術開発力の向上

ビジネスパートナーの皆様には、当社の製品価値の維持・向上のため、安全とQCD(品質、価格、納期)を確保した資材・サービスの提供をお願い致します。また、付加価値の高いものづくりのため、継続的な技術開発力の向上をお願い致します。

  1. 製品安全に関する法令を遵守し、通常有すべき安全性について配慮する。また製品安全確保のために、材料・部品・工程等の履歴管理及び問題解決に向けた迅速な対応を行う。
  2. 提供する資材・サービスの品質を維持・向上する。また品質マネジメントシステムを構築し、継続的改善を図る。
  3. 市場競争力のある、付加価値の高い資材・サービスを提供する。また、最適な技術・材料・工法を考慮し、積極的に提案する。
  4. 提供する資材・サービスの納期を確実に守り、また安定して供給できる体制を構築・運用する。
  5. 技術開発力を継続的に向上する。

3. 人権や労働安全への配慮

ビジネスパートナーの皆様の事業活動において、基本的な人権を尊重し、安全で快適な作業環境を確保するようお願い致します。また、人材の多様性(性別、年齢、国籍、障がいの有無など)を受容することを前提とした、ダイバーシティの推進をお願いいたします。

  1. 不当な労働、差別、非人道的な扱い(虐待、体罰、ハラスメント)を行わない。
  2. いかなる児童労働および強制労働も禁止する。
  3. 賃金、労働時間、採用、解雇等を含む従業員の労働条件や労働安全衛生基準について、事業活動を行う国や地域の法令を遵守する。
  4. 安全で快適な作業環境づくりに努めるとともに、食堂や宿舎を提供する場合には、衛生に留意し、十分な生活環境を整備する。
  5. 結社の自由や団体交渉における労働者の権利を尊重する。
  6. 労働時間を適正に管理し、法令遵守はもとより、⾧時間労働の抑制に努める。
  7. 賃金は各国の法定最低賃金以上の支払いを遵守し、生活賃金への配慮を行う。
  8. 人権や労働安全に関する負の影響を確認した場合に、是正・改善するための苦情処理・救済メカニズムを構築する。
  9. 女性やマイノリティが経営する企業についても、公平・公正に経済合理性を評価し、取引を行う。

4. 環境への配慮

持続可能な社会の実現に向けて、ビジネスパートナーの皆様には環境に与える負荷を低減した活動を継続的に行って頂くようお願い致します。

  1. 環境マネジメントシステムを構築し、継続的改善を図る。
  2. 気候変動対策として、温室効果ガスの削減目標を設定し、削減に取り組む。
  3. 法令等に基づき、事業活動や製造工程で発生する化学物質や、製品に含有している化学物質を適切に管理し、あらゆる環境汚染の予防に努める。
  4. 資源(水、原材料等)・エネルギーを有効活用するとともに、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に努める。
  5. 生物多様性や生態系に配慮した事業活動を行う。
  6. 環境への影響(排水、排気、廃棄物等)の最小化を図る。

5. 地域・社会への貢献

ビジネスパートナーの皆様には、国際社会・地域社会の発展に貢献する活動や、次世代の育成等に積極的に取り組むようお願い致します。

  1. 本業を通じた社会貢献や金銭的寄付、施設・人材等を活用した社会貢献等について、自主的に実施可能な活動範囲を決めて取り組む。
  2. 後継者の育成や技能伝承といった次世代へ繋がる取り組みを推進し、事業を通じて社会の持続的な発展に貢献する。

責任ある鉱物調達に関する基本方針

コンゴ民主共和国及びその隣接国では、紛争に関わる反政府勢力による深刻な人権侵害や環境破壊が生じており、大きな課題として世界的に注目されています。この地域で産出される鉱物(錫、タンタル、タングステン、金)やコバルトの一部には、これらの勢力の資金源となっているもの(以下「紛争に関わる鉱物」と呼びます)があると言われています。
三菱重工グループは、これら紛争に関わる鉱物を使用する原材料、部品、製品を調達することにより、人権侵害や環境破壊に加担する意思はありません。三菱重工グループは「OECD 紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を尊重し、今後も、お客様やビジネスパートナーの皆様、業界団体等と連携を取りながら、加担回避のための取り組みを進めて参ります。