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スウェーデンの首都ストックホルム市にクリーンな電力と地域暖房を供給へ
三菱パワーヨーロッパ ストックホルム・エクセルギー社に協力

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◆ ストックホルム・エクセルギー社最大の熱電併給プラントKraftvärmeverk1(KVV1)を最新技術で近代化
◆ バイオ燃料対応、ボイラーと制御システムをアップグレード、低NOxバーナーで環境負荷低減
◆ 改修で運転寿命を20年間延長、バイオ燃料転換で2030年までに市内の化石燃料消費をゼロに

三菱重工グループの欧州現地法人 三菱パワーヨーロッパ(Mitsubishi Power Europe GmbH)はこのほど、スウェーデンの地域冷暖房および電力供給で最大の現地プロバイダーであるストックホルム・エクセルギー社(Stockholm Exergi AB)と、首都ストックホルム市内にある同社最大の熱電併給プラントKraftvärmeverk1(KVV1)の設備近代化に関するサービス工事契約を締結しました。

同発電所は化石燃料焚きとして1976年に建設されたもので、今回の大規模改修では、バイオオイルに代表される持続可能なリサイクル燃料に転換するためボイラーのアップグレードを行います。また、制御システムを最新の分散制御システム(DCS:Distributed Control System)に近代化、NOx(窒素酸化物)排出量を削減するために新しい低NOxバーナーを採用します。このプロジェクトには、バイオ燃料に対応するための燃焼システムの変更のほか、耐圧部品や主要補機の交換や補修も含まれており、改修のため夏季に予定されている2回の停止期間を経て、2023年冬季に稼動を開始する予定です。

今回の改修で、エネルギー効率の向上および地域内における再生可能エネルギー由来電力の発電が可能になります。バイオオイルはNOxの発生量が非常に少ないため、ボイラーの改修と低NOxバーナーの導入により大幅なNOx削減をはかることができます。また、統合されたDCSによりプラントの効率や信頼性、システムの稼働率が向上し、リモート監視、制御、ならびに帳票作成が可能となります。いずれも、リーズナブルな電力価格と高い信頼性を確保しつつ、NOx排出量削減を達成する重要な鍵となります。

ストックホルム・エクセルギー社は、再生可能エネルギーを利用することにより資源効率の向上に貢献しており、地域で使用されている暖房の99%は再生可能燃料またはリサイクル燃料によりまかなわれています。同社のプロジェクトマネージャーであるElvira Alberg氏は次のように述べています。「KVV1のアップグレードは、地域内での電力供給、クリーンなバイオ燃料の使用、環境負荷ガス排出量の削減を通じて、信頼性と稼働率に係る課題を解決するものです。KVV1に使用されるバイオオイルは、食品・化粧品業界からの残留物から得られます。重油からバイオオイル焚きへと既存の燃焼システムを改良することにより、発電所の運転寿命が大幅に延長されることになります」。

三菱パワーヨーロッパでサービス営業部門のトップを務めるAndreas Ruppは次のように述べています。「ストックホルム・エクセルギー社と提携し、化石燃料を使用しない環境負荷の少ない都市になるという目標を共に実現できることを誇りに思います。当社は100年以上にわたり、クリーンエネルギーソリューションにおいて信頼されるパートナーとして、高度なエンジニアリング技術や最新技術をお客様に提供してきました。最先端の技術力、特許取得済みのシステム、豊富な実績など独自のソリューションでお客様に貢献しています。KVV1の改修プロジェクトで、ストックホルムの約100万人の市民のために持続可能で信頼できるクリーンエネルギーの供給を支援していきます」。

また、三菱パワーヨーロッパCEOのカルロス・ゴンザレス・ぺトン(Carlos Gonzalez Peton)は以下のように付言します。「このプロジェクトの特徴は、使用されるバイオ燃料に最適化された燃焼システムや最新の自動運転制御システムの適用など、さまざまな技術を最適に組み合わせることでお客様の課題を解決している点です。当社は信頼されるパートナーとしてお客様のさまざまな脱化石燃料に向けた要求に対応するために、独自の幅広いソリューションを常に提供しています。スカンジナビア地域のお客様に、当社の先進的な脱炭素技術を使った最適なプロジェクトをお届けできることを楽しみにしています」。

三菱重工グループは、カーボンニュートラルへの取り組みを宣言し、「MISSION NET ZERO」のもと、2040年までにCO2排出量をネットゼロにする目標を掲げています。三菱パワーヨーロッパは、すべての事業領域で培った革新的な技術・サービスを活用し、既存インフラの脱炭素化などお客様のニーズに応え、世界のCO2排出量削減をサポートします。

調印式の様子


Tags: エナジートランジション
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