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◆ 新開発のバーナーでアンモニアの安定燃焼および窒素酸化物(NOx)抑制を確認
◆ 燃焼時にCO2を排出しないアンモニアの利用促進に向け、長崎カーボンニュートラルパークでの技術開発を推進
三菱重工業は、火力発電ボイラーにおけるアンモニア利用技術の開発を進めるなかで、このほど総合研究所長崎地区(長崎市)の試験設備においてアンモニア専焼バーナーの試験に成功しました。燃料消費が0.5トン/時の燃焼試験炉において、アンモニア専焼バーナーを用いた専焼試験および石炭との高混焼試験を実施し、いずれにおいても安定燃焼を確認するとともに、窒素酸化物(NOx)の排出量を石炭専焼時よりも抑制できること、またアンモニアを完全燃焼できることを確認したものです。
アンモニアは、水素エネルギーを低コストで効率良く輸送・貯蔵できるエネルギーキャリアとしての役割に加え、火力発電の燃料として直接利用が可能であり、燃焼時にCO2を排出しない燃料として、温室効果ガスの排出削減に貢献できるものとして期待されています。今回の燃焼試験において、アンモニアの安定燃焼とNOx抑制を同時に実現するバーナーの基本構造が確認され、火力発電ボイラーでの実用化に向け、開発の重要なマイルストーンを通過することとなりました。
次のステップとして、より大規模となる同4トン/時の燃焼試験炉において、実機サイズのバーナーを用いた燃焼試験を実施していく予定です。これらの成果をもとに、開発したバーナーの国内外の火力発電所への適用に向けて取り組んでいきます。
当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業による燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクトにおいて、「石炭ボイラにおけるアンモニア高混焼技術の開発・実証」に、2021年度から取り組んでいます。今回の燃焼試験は同事業の一環で、旋回燃焼方式と対向燃焼方式のそれぞれのバーナー型式において、2024年度までにアンモニアの専焼が可能なバーナーの開発を進めていく計画です。
試験を実施した総合研究所長崎地区は、エネルギーの脱炭素化に向けた技術開発拠点として本年8月に運用を開始した「長崎カーボンニュートラルパーク」内にあります。当社は、今回の燃焼試験成功を機に、国内外の火力発電ボイラーでの実用化(注)に向け、関連技術の開発を加速しています。
三菱重工グループは、CO2削減の有力な解決策の一つであるアンモニア利用をはじめ、多くの実績のある技術を活かした新たなソリューションを提案し続け、エナジートランジションを推進します。高効率で環境に優しいエネルギー創出システムの拡充・普及に力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進することで、地球環境の保全に貢献していきます。
- 当社では、国内外のお客様のカーボンニュートラルに向けたアンモニア燃料利用への取り組みに対応できるよう、事業用・産業用のボイラーにおける低混焼から高混焼までの幅広いアンモニア利用ニーズに対応できる技術開発を進めています。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
詳しくは:
- 三菱重工グループのウェブサイト: www.mhi.com/jp
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