LNG / Floating LNG
液化天然ガス(LNG)プラント
全世界的に地球温暖化や環境問題に対する関心が高まる中、石油・石炭に比べ環境負荷の低い(CO2排出量の少ない)エネルギーである天然ガスの需要増加に伴い、LNG液化プラントへの注目が集まっています。また、当初は約100万トン/年であったプラントの生産能力も現在では780万トン/年まで達しており、プラント内で使用される各種プロセスガスコンプレッサの容量も増加傾向にあります。一方、未活用ガス田の有効利用を目的とした、中小型LNG液化プラントの開発にも関心が高まりつつあります。
LNG液化プラントでは、ガス田から送られてくる天然ガスから液状成分(コンデンセート)を分離し、その後、酸性ガス(硫化水素・二酸化炭素)除去設備、水銀除去設備、脱水設備、NGL分離設備を経由して、液化設備で天然ガスを液化し、LNGタンクに貯蔵されます。
近年、陸上でのLNGプラントに加え、洋上での中規模ガス田開発に使われるFloating LNG (F-LNG)の技術が開発されています。
当社では、これらのガス処理・液化過程において使用される各種プロセスガスコンプレッサ及び駆動機を提供して、ガス化社会の基盤整備に貢献しております。
LNGプラントプロセスフロー概念図
LNG用コンプレッサトレン
オフガス用コンプレッサ
また、オフガス用コンプレッサは、吸込と吐出の圧力差が大きく、高密度ガスを取り扱うので、強度面はもとより軸振動面に対しても配慮をしています。 右下の写真はカタールのLNGプラントに納入された、オフガス用のコンプレッサ(型式:5V-9B)と駆動用蒸気タービン(型式:5BL-4)です。
リジェネレーションガス用コンプレッサ
主冷凍用コンプレッサ
本コンプレッサは、液化プロセスで最も重要な工程で使用されるため、様々な運転条件に対して極めて正確な運転性能が要求されます。 右下の写真はインドネシアのLNGプラントに納入された、主冷凍用コンプレッサ(型式:11H-4)と駆動用ガスタービン 及び Helper Motorです。
エンドフラッシュガス用コンプレッサ/ボイルオフガス用コンプレッサ
LNGタンク内で気化したガスのみの処理に使用されるのがボイルオフガス用コンプレッサです。
本コンプレッサは、-162℃程度の極低温での運転を要求されます。 右下の写真は豪州のLNGプラントに納入された、エンドフラッシュガス用コンプレッサ(型式:11H-7, 5V-8B)と駆動用の可変速モータです。
燃料ガス供給用コンプレッサ
本コンプレッサの特徴は、吸込温度が-60℃以下の低温となることもあるため、冷凍系仕様の材料を採用する必要がある点です。 右の下の写真はカタールのLNGプラントに納入された、大型ガスタービンに燃料となるガスを供給するためのコンプレッサ(型式:9H-7C, 5V-8B 2台連結)と駆動用モーターのトレインです。天然ガスを液化するためのプロセスの駆動に用いられます。