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CO2コンプレッサでカーボンニュートラル社会の実現に貢献する取り組みの一例をご紹介します

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CO2コンプレッサで世界中のCO2ガス大気放出を防ぐ

宮田 寛之さん

私の仕事はScope3(注)に関係しています

三菱重工コンプレッサ(株)
技術センター
R&Dエンジニアグループ
上席主任

宮田 寛之さん

  • Scope3は、製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまでの過程において排出される温室効果ガスの量(サプライチェーン排出量)を指し、Scope1(自社での直接排出量)・Scope2(自社での間接排出量)以外の部分「その他の間接排出量」を指します。

Q1 担当業務と「MISSION NET ZERO」の取り組みとの関連について教えてください。

CO2ガスを分離・回収・利用・貯留するCCUS設備の中のコンプレッサ設備の開発業務で、CO2コンプレッサの競争力強化に向けた新規開発を担当しています。

当社は、1990年代より世界中の肥料プラントに100台以上のCO2コンプレッサを納入してきました。2003年にはアルジェリアのガス処理プラントに吐出圧200barのコンプレッサを納入し、研究開発を重ね、2019年にはさらに高圧な550barのコンプレッサをブラジルのFPSO*向けに納入しています。2017年に納入した米国のペトラノヴァ炭素回収プロジェクト向けの吐出圧130barの8段型のコンプレッサの容量はおよそ5,000ton/dayと世界最大容量の実績があります。当社のCO2コンプレッサが世界中のお客様のプラントでCCUS設備として活躍することで、Scope 3に貢献しています。

  • FPSO:Floating Production, Storage and Offloading Systemの略。タンカーなどの船上に石油やガスを生産・貯蔵・出荷する設備一式をそろえた設備のこと
CO2コンプレッサ
CO2コンプレッサ
開発状況を共有する打ち合わせの様子
開発状況を共有する打ち合わせの様子

Q2 2040年のカーボンニュートラルの達成に向け、メッセージをお願いします。

CCUS設備は、化学プラントや発電所からの排気ガスから分離・回収したCO2を地中深くに閉じ込めることで大気放出を防ぐ設備です。このCCUS設備の中のCO2を圧縮する工程でCO2コンプレッサはカーボンニュートラル社会の実現に貢献しています。

現在、世界各地で計画されている大規模なCCUSプロジェクトでは、お客様のニーズに合わせて効率よくCO2を圧縮するコンプレッサが求められています。一方で、CCUS設備の導入には各国の補助金支援が必要なため、運転動力の最小化と設備価格低減の両立が不可欠です。また、CCUSの導入が進む先進国を中心に、設備建設時の人件費削減や設備設置にかかる作業期間の短縮が求められています。このような課題解決に向けて当社は、三菱重工グループの力を結集し、製品開発に取り組みます。三菱重工グループの一員としてCCUSに関わる設備を社会に提供し、MISSION NET ZEROに貢献していきます。