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170万kW級原子力発電設備 三菱EU-APWRを欧州市場に投入

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 三菱重工業は、欧州の新規原子力発電プラント市場へ参入する。欧州の主要電力会社向けに世界最大級(170万kW)の加圧水型(PWR)原子力発電設備「EU-APWR」を投入するもので、今後、欧州の原子力安全審査(EUR)を申請する計画。すでに米国向けに市場投入を行っている同規模の大型炉US-APWRに続く展開で、日本メーカーによる欧州の大型炉市場への参入は今回が初めて。

三菱EU-APWR原子力発電設備
 EU-APWRのEUR申請に向けた取り組みの第一弾として、当社は13、14の両日、「EU-APWRセミナー」をベルギーの首都ブリュッセルで開催した。英、仏、独、ベルギー、スペイン、フィンランド、チェコなどから有力な電力会社13社が参加して開かれたもので、第三世代の原子力発電設備を対象とする、欧州の主要電力会社が定めた数千にもおよぶ技術的な要求基準に関して、当社EU-APWRの適合性が活発に討議され、同炉に対する関心の高さを浮き彫りにする結果となった。

 EU-APWRは、日本原子力発電(株)敦賀3、4号機向けに建設準備工事中の改良型PWR(APWR、153.8万kW)をベースに、欧州の規制や顧客のニーズを反映させながら、US-APWRと同様、世界最高レベルの熱効率(39%)やプラント建屋容積の大幅低減(約20%)、さらには24ヵ月連続運転の実現などにより、大幅な経済性向上を実現した原子炉。

 欧州に先駆けて米国市場に投入したUS-APWRの米国原子力規制委員会による標準設計認証(DC)取得については、当社の国内23基に上るPWRの建設・運転実績と、提出図書の完成度の高さが評価され、順調に審査が進んでおり、今回市場投入を目指すEU-APWRのEUR審査も順調に進捗することが期待される。

 欧州においても、地球温暖化防止や原油価格の高騰、さらにエネルギー安全保障の問題などを背景とした原子力発電の再評価の機運が高まっており、2030年頃までに新設プラント数十基の需要が見込まれている。当社は今後、欧州市場へのEU-APWR投入に向けた取り組みを強力に推し進め、米国と同様、積極的な営業活動を展開していく。

 


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