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ロシア向けM701F型ガスタービンを初受注

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 三菱重工業は、ロシアの地域発電会社TGK-8が黒海沿岸のクラスノダール(Krasnodar)州に新設する発電所向けM701Fガスタービンを受注した。同国のプラントEPC(設計・調達・建設)会社であるE4から受注したもので、天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核機器として40万kWの高効率な電力供給を支え、逼迫する電力需給の緩和に大きな役割を果たすことになる。ロシアからのガスタービン受注は初めて。

 今回のGTCCは、ガスタービン、蒸気タービン、排熱ボイラー各1基などで構成される。このうち当社は、ガスタービンを製作・供給するほか、ガスタービンおよび関連機器の据付・試運転を支援する。発電機は三菱電機、取扱商社は三菱商事。

 TGK-8は、ロシアを代表する石油会社、ルクオイル(LUKoil)傘下の地域電力会社で、同国南西部の黒海及びカスピ海沿岸地方に拠点を置く。また、E4は、2006年に創立され、ロシアのEPC (EPCM) コントラクターの中でもリーダー的存在。エンジニアリングの先駆者を統合させて成り立つE4のストラクチャーには13のホールディング会社が存在する。今回の発電プロジェクトは、2014年のロシア冬季五輪開催などを睨みながら、タイトとなりつつある電力事情の解消を目指すのが狙い。
 ロシアは、原油価格の高騰に後押しされながら、9年連続の成長が続くなど、好調な経済状態が続いており、それに伴い、電力不足が深刻化しつつある。発電設備の建設が15年以上も停滞していたことによるもので、そのため同国では、老朽化した設備の更新も含め、今後5年間で5,000~6,000万kW以上の大規模な発電設備の建設が計画されている。

 M701F型ガスタービンは、GTCCにマッチした1400℃級(タービン入り口温度)タービン。低NOx(窒素酸化物)燃焼器を採用してNOxの排出削減も実現している。今回の受注は、これらの優れた性能と当社の実績が高く評価されたことによる。

 GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式。従来火力プラントと比較して約20%高い効率を実現するなど、省エネルギーや環境保全にも大きく貢献する。しかし、国際的なガス価格の高騰などにより、より一層の発電効率向上が要求されていることから、今後も、そのような市場の要求に応える当社ガスタービンの営業を積極的に展開していく。

 


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