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高純度水を供給する、世界初の3段構成RO方式海水淡水化設備を短納期で納入

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 三菱重工業は、サウジアラビアのラービグ市で、商業規模では世界初の3段直列逆浸透(Reverse Osmosis=RO)膜法による大規模海水淡水化設備を完成・稼働させた。今回稼動した設備は、3段直列構成の種類の異なるRO膜ユニットを採用することにより、従来中東地区で広く採用されてきた蒸発法(多段フラッシュ法)方式による海水淡水化設備に比べ、設備の建設期間を短くでき、また、より少ない消費エネルギーで塩素イオン濃度の低い高純度の淡水を製造できる。毎時7,000トンの造水能力を持つ同設備は、丸紅・日揮・伊藤忠商事及び現地の独立系発電事業者ACWAパワー社からなる水・蒸気・電力供給事業会社、ラービグ・アラビア水電力会社へ納入。同社で製造される水は、サウジ国営石油会社の  サウジアラムコと住友化学が合弁で新設する世界最大級の石油精製・石油化学プラントへ、高純度の工業用水として供給される。当社では、この3段直列構成のRO方式の商業

第1号設備の順調な運転を弾みに、世界で淡水化ニーズを積極開拓していく。

 3段直列構成のRO方式海水淡水化設備は、当社が海水淡水化技術分野で培った豊富な知見を駆使して実用化した。1段目に高濃度塩素イオン除去用の海水淡水化RO膜ユニット、2・3段目に1段目で処理された低濃度塩素イオン水を処理するかん水RO膜ユニットを直結させている。塩素イオン濃度は、1段目RO膜ユニットにより、550mg/ℓ以下まで下げ、さらに2・3段目のRO膜ユニットによって、石油化学プラントが要求する高純度水レベルの5mg/ℓ以下まで下げることができた。

 これまで、海水から塩素イオン濃度5mg/ℓ以下といった高純度水を得るには、もっぱら蒸発法の海水淡水化設備が用いられてきたが、そのプロセスには蒸気が必要であり、エネルギー効率が悪く、環境負荷も大きかった。当社は、実績豊富なRO膜を採用するとともに、3段直列構成のRO膜プロセスを独自開発・成功させたことにより、化学プラント向けの高純度水製造を含む今後の淡水化市場に、画期的なRO膜法を提供することができた。当社のRO膜方式は、建設期間・建設費用・運営費用とも、従来の蒸発法方式に比べて格段に有利となっている。

 


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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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