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トルコとウクライナの発電所向けに天然ガス焚きM701F型ガスタービン連続受注

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 三菱重工業は、トルコとウクライナから天然ガス焚きのM701F型ガスタービン発電設備を相次ぎ受注した。トルコの電力供給会社、エネルジサ社(Enerjisa Enerji Uretim A.S.)向けは出力92万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備で、運転開始は2010年8月の予定。ウクライナ中央部のコムソモルスク(Komsomolsk)工業地区に新設される火力発電所は30万kWのガスタービン発電設備で、運転開始は2011年6月の予定。トルコ向けガスタービンの受注累計は7基目、ウクライナ向けは4基目の受注となる。

 トルコ向けはエネルジサ社がマルマラ海沿岸のバンディルマ(Bandirma)に建設する発電所で、オーストリアのGTCC専門エンジニアリング会社、A-TEC PPS(A-TEC Power Plant Systems AG)と、フルターンキー契約で共同受注した。ガスタービン2基、蒸気タービン1基、発電機3基などの主要機器で構成。当社はガスタービン及び蒸気タービンの設計・製作を担当し、A-TEC PPSは周辺設備の供給と、土建・据付工事を手掛ける。発電機は三菱電機が供給。

 エネルジサ社はトルコ財閥サバンチ(Sabanci)グループの自家発電会社で、1996年に設立。国内4カ所に小型GTCC計37万kWのほか、水力8万5,000kWなどの発電設備を持つ。グループ企業への電力供給を目的に発足したが、国内の電力自由化と需要増加の流れを背景に、2007年にオーストリアの電力会社ファーブント社(Verbund)の出資を受け入れるなどして、総合電力会社への脱皮を目指す。2015年までに、500万kWの設備所有を計画しており、今回のプロジェクトもその一環。

 A-TEC PPSは、オーストリアを中心に発電設備事業を展開するA-TECインダストリーズ(A-TEC Industries)の傘下企業。当社はA-TEC PPSと、2006年から主に中欧、東欧、トルコでのGTCC拡販に向けた協業を始め、今回初受注となった。当社は2007年10月、欧州の原動機事業拠点として、ロンドンにMPSE(Mitsubishi Power System Europe, Ltd. )を設立しており、A-TEC PPSとの提携は、欧州市場密着型営業に向けた先駆け的取り組みの一つ。

 一方、ウクライナのコムソモルスク工業地区発電所は、住友商事と共同で受注した。同地にペレット(鉄鋼原料)製造工場を持つFerrexpo PLCの兄弟会社であるKomsomolsk Cogeneration Company(KCC)が建設するもので、Ferrexpo PLCの所有するペレット工場と新規製鉄所への電力供給が目的。将来のGTCC化による一層の高効率・大容量発電を視野に、まずはガスタービンのみの発電でスタートする。当社はガスタービンの設計・製作を手掛け、発電機は三菱電機が供給する。

 ウクライナは鉄鉱石埋蔵量が豊富で鉄鋼原料の安定的な供給が可能であり、また鉄鋼原料の需給逼迫による価格高騰がしばらくは続く見通しであり、鉄鋼生産に関する設備投資が旺盛。高い経済成長が続く同地域や欧州においては電力需給が逼迫しており、その緩和に向け高効率・大容量で、かつ環境負荷の低減に貢献するM701F型ガスタービン発電設備の拡販を積極的に展開していく。

 

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