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商船三井向け建造船300隻目を長崎造船所で引き渡し

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 三菱重工業はこのたび、株式会社商船三井向けで通算300隻目の船舶となるコンテナ船「MOL COMPETENCE(エムオーエル コンピテンス)」を、当社長崎造船所香焼工場で引き渡した。コンテナ搭載数8,100個クラス、総トン数9万トンで、当社が建造したコンテナ船では最大級。新日本製鐵株式会社との共同開発による、降伏応力47キロ級高強度鋼板(ハイテン)を、構造上最も重要な縦強度部材に採用した初の商船シリーズの1隻で、軽量化・輸送効率の向上を図った。当社の造船技術に対する高い評価と信頼性が、革新的で歴史に残る多数の船を含む300隻の引き渡しにつながった。

 「MOL COMPETENCE」は全長316.0m、全幅45.6m、深さ25.0mで、速力は25ノット。47キロ級ハイテンの採用による船体の軽量化・安全性の向上だけでなく、電子制御式主機関や高性能プロペラを搭載し、燃費効率を大幅に改善。高速性、安全性だけでなく、環境適応や燃費効率の向上など、顧客ニーズを高い次元で実現した競争力の高い船となっている。

 建造してきた300隻はタンカーから客船、貨物船、フェリーと幅広い。また、両社が海運・造船それぞれのフロントランナーとして、「日本初」や「最大」、「最速」などを冠した、船舶史に名を残す船を産み出してきたことも特徴のひとつ。

 最初の引き渡しは、明治23年(1890年)の貨客船「筑後川丸」。同船は、日本で初めての鋼製汽船で、以後の鋼船建造技術をリードした。「音戸丸」(1924年)では、日本で初めて主機関にディーゼルエンジンを搭載。また高速化においては、横浜~ニューヨーク間の所要日数を35日から26日へ劇的に短縮させた貨物船「畿内丸」(1930年)や、9日6時間53分の太平洋横断新記録を樹立した「ぶるっくりん丸」(1960年)も名を連ねる。さらには、戦後初の本格的クルーズ客船で現在も就航中の「ふじ丸」(1989年)と「にっぽん丸」(1990年)、建造当時世界最大のタンク容積(137,012㎥)を誇ったLNG(液化天然ガス)運搬船「EKAPUTRA」(1990年)など多種多様な船を建造し、海運・造船史を彩ってきた。

 今回、建造船引き渡しが300隻を迎えたことは、1世紀以上にわたり培ってきた造船技術の蓄積が産んだ実績であり、当社は今後も安全性や機能性、燃費や環境適応といったさまざまな顧客ニーズにマッチする高付加価値船の開発・建造を強化していく。

    

                【MOL COMPETENCE】                                             【筑後川丸】                                                          
 

 


Tags: 船舶・海洋,アジア,I&Iドメイン
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