Press Information

超高速歯車加工で寿命約2倍に、さらなるコスト低減・生産性向上へ

Print

 三菱重工業は、歯車加工用工具であるホブに、切削油なしで切削速度200m/分以上の超高速でも、寿命が大幅に延びるコーティングを施す技術を開発した。「スーパードライⅢ」ホブとして製品化し、10月30日から東京ビッグサイトで開催されるJIMTOF2008(第24回日本国際工作機械見本市)で発表、販売を開始する。ハイス(High-speed Steel:高速度工具鋼)系フルコーティング工具では限界を超えたとされた超高速安定加工と、長寿命を実現している既存の「スーパードライⅡ」ホブを、寿命で80~100%上回る性能で、さらなるコスト低減と生産性向上に貢献する。

【スーパードライⅢホブ】
 スーパードライⅢコーティング被膜の技術については特許出願済。超高速ドライカットでの長寿命化を実現するため、被膜の耐酸化性を高めることに力を注いだ。その結果、酸化開始温度は1,300℃を達成。スーパードライⅡの同1,200℃を100℃上回る。

 実際のホブ切り試験でスーパードライⅡと比べた場合、切削速度250m/分では逃げ面摩耗※ 量 が40%低下し、寿命は1.8倍に延びた。また、切削速度300m/分では、寿命は2倍となった。

 当社は1997年に世界初となるドライカット歯車加工システムを開発して以降、工作機械のドライカットホブ盤、ドライカットギヤシェーパ、ドライカット工具のスーパードライホブ、スーパードライピニオンカッター-と、ドライカット製品の拡充を図ってきた。これらは地球環境配慮の歯車生産システムとして、生産面では高速・高能率化とランニングコスト低減、作業環境の改善などでその効果が大きく、好評を博している。

※ 逃げ面摩耗
  切削によって切れ刃(刃の表面)の逃げ面(切削仕上げ面との不必要な接触を避けるために逃がした面)に生じる摩耗のこと。フランク摩耗ともいう。

mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: