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フィンランドの屋内物流機器メーカー・ロックラー社を傘下へ

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 三菱重工業は、フィンランドの屋内物流機器※1メーカー、ロックラー社(Rocla Oyj)に対して、株式公開買付け(TOB)を開始することで同社と合意した。TOBは当社欧州子会社のMitsubishi Caterpillar Forklift Europe B.V.(MCFE)が実施する。物流機器の最大市場である欧州で、製品のフルライン化と現地顧客対応力を強化し、最近主流となっている提案型の物流機器事業を積極的に展開するのが狙い。

 ロックラー社は欧州における屋内物流機器シェア第5位のメーカー。当社は1987年より、同社から屋内物流機器のOEM(相手先ブランド)供給を受け、自社生産のカウンターバランス車※2と合わせて品揃えをはかる一方、2002年にはMCFEおよび米国の現地法人Mitsubishi Caterpillar Forklift America, Inc.が同社に合計28.1%の出資を行い、良好な関係を維持してきた。
 今回のTOBを用いたロックラー社買収は、この関係をさらに強固とするのが目的。当社の主力のカウンターバランス車に加えて、成長を続ける西欧の屋内物流機器市場への進出を加速し、フルラインアップで対応することで事業強化を進めていく。

 TOBはロックラー社の発行済株式426万4,788株のうち、ロックラー社およびすでに当社グループが保有している株式を除く全株式が対象。買付期間は2008年11月10日から5週間程度を予定する。買付価格は1株当たり13ユーロを予定しており、必要資金は全額MCFEの自己調達により賄う。

 ロックラー社の現経営陣および従業員は、買収成立後も維持する方針。当社およびMCFEは社外取締役を派遣するほか、経営管理や技術、製造などのポジションに人材を送り、事業の一体運営を加速する予定。さらに、3社で協業推進委員会を設立し、一体化による相乗効果を追求していく。

 ロックラー社は1942年の設立で、フィンランドのヤルベンパ(Jarvenpaa)に本社を置く。NASDAQ OMX ヘルシンキに上場しており、従業員は約500人。製品の開発スピードとデザイン力に定評がある。
 MCFEは1992年、当社と米キャタピラー・インダストリアル社(Caterpillar Industrial Inc.)の合弁で設立。オランダのアルメア(Almere)に本社を置き、欧州、ロシア、中近東、アフリカに対する当社フォークリフト関連製品の製造・販売・サービスを担当している。

※1 屋内物流機器:大型倉庫での棚への収納や横持ち作業に使う。欧州、米国、アジアなど地域ごとにスペックが違い、
   倉庫の棚の高さや幅の違いなど、ユーザーに応じた提案型営業が要求される。
※2 カウンターバランス車:車体前方にマスト、フォークなどの荷役装置を備え、後方に積載荷重につり合わせるための
   重りを備えたフォークリフト。用途は製造業から屋内外と幅広い。

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