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米国サウステキサスプロジェクト電力へ上部原子炉容器を出荷
運転期間延長向けの取替用に

発行 第 4827号
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 三菱重工業は24日、米国の電力会社サウステキサスプロジェクト電力(South Texas Project Nuclear Operating Company:STP)向けに、上部原子炉容器を出荷した。加圧水型(PWR)原子力発電設備の主要機器で、同電力サウステキサス原子力発電所1号機に、運転期間延長に伴う取替用として設置される。

 STPサウステキサス原発は、テキサス州ベイシティの南西約20kmに立地する。当社が2006年に受注した取替用上部原子炉容器を据え付ける1、2号機は、ともに出力136.4万kWで、それぞれ1988、1989年に稼働した。2号機向けは2010年2月に納入する予定。

 取替用上部原子炉容器は、直径約5mの低合金鋼製※ で、当社神戸造船所が製作を担当。上部原子炉容器上蓋(本体)に加え、その上部にステンレス製の制御棒駆動装置57本が搭載されており、全体の長さは約10m、重量約100トンに達する。この制御棒駆動装置は、原子力プラントの安全・安定運転の要として大きな役割を担い、万一のトラブル時には素早く制御棒を炉心内へ挿入することで、原子炉を緊急停止させる機能を持つ。

 当社は米国市場で2002年以降、取替用として上部原子炉容器を15基、蒸気発生器(SG)を6基、加圧器を1基それぞれ受注。これまで国内外でPWRプラントを手掛けてきた当社の豊富な実績、品質・製作工程管理から納期まで含めた高度な技術力が高く評価された。
 当社はまた、米国以外の主要な原発市場に対しても、PWR主要機器の販売に力を注いでおり、海外からの受注は取替用上部原子炉容器で計19基、取替用SGは計28基に達する。

 温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出抑制機運が高まり、世界規模で原子力発電設備の更新需要と、新規プラント建設計画が増大している。当社は、PWRプラントの基本計画から設計・製作・検査・据付・試運転、アフターサービスまでを担う総合原子力プラントメーカーとして原子力機器の輸出商談に積極的に取り組み、世界共通の課題である低炭素社会インフラの構築に貢献していく。

※原子炉容器は一次冷却水による強い圧力を受けることから、強靭な低合金鋼(マンガン・モリブデン・ニッケル鋼)を用いた耐圧容器として製造されている。

 

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Tags: 原子力,北米,パワードメイン
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