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ベルギー・エレクトラベルGDF SUEZ社ドエル原子力発電所に蒸気発生器(SG)2基納入
1号機更新の取替用に、当社製の稼働SGが同国内で半数超す

発行 第 4842号
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 三菱重工業は、欧州の大手電力会社エレクトラベルGDF SUEZ社がベルギーで運営するドエル(Doel)原子力発電所1号機向けに、加圧水型軽水炉(PWR)の主要機器である蒸気発生器(SG)2基を納入した。設備更新に伴う取替用として、2006年2月に受注したもの。これにより当社が同国向けに納入した取替用SGは累計10基となり、同国内7ヵ所の原子力発電所で稼働するSG19基の過半を占めることになる。

 ドエル原子力発電所1号機は、1975年に運転を開始したPWRプラントで、出力は39万kW(出力アップを予定)。首都ブリュッセルの北方約50kmに位置し、近くに港町アントワープがある。30年以上稼働を続けて、設備更新時期を迎えていた。

 納入したSGは高さ約20m、総重量約270トンで、当社神戸造船所が製作を担当した。原子炉で発生させた熱を1次冷却系(原子炉系)から2次冷却系(タービン系)に伝えてタービン駆動用の蒸気を発生させ、PWRプラントの中核的な役割を担う。低合金製の耐圧容器※1の内部には、最新素材である690系Ni基合金※2製の伝熱管約4,800本が挿入されている。高い安全性と信頼性が求められるうえ、高度の設計・製造能力も要求され、国内ではPWRプラントを一貫して手掛けてきた当社だけが製造している。

 当社はベルギー向けでは、ティハンジュ(Tihange)原子力発電所※3の1号機用(1995年)と同2号機用(2001年)に3基ずつ6基、ドエル原子力発電所2号機用(2004年)に2基の取替用SGを納入した実績がある。海外向け取替用SGの受注累計は、北米・欧州向けを中心に28基(生産累計17基)に達しており、さらに国内での新設および取替の実績を合わせたSGの受注累計は現在までに合計122基(同111基)にのぼり、その技術・品質は世界的に高く評価されている。国内外のPWRプラントの長寿命化や、安全性・経済性の向上に貢献している。

 当社は今後も、PWRプラントの基本計画から設計・製作・検査・据付・試運転、アフターサービスまでを担う総合原子力プラントメーカーとして、これまで培ってきた技術力や豊富な実績を活かし、原子力プラントおよび機器の輸出に積極的に取り組んでいく。

※1 SGは冷却水による強い圧力を受けることから、強靭な低合金鋼(マンガン・モリブデン・ニッケル鋼)を用いた耐圧容器として製造
   れている。
※2 特殊熱処理により耐腐食性を高めた最新のニッケル・クロム・鉄合金。高温・高圧下での耐腐食性に優れたSG伝熱管に使われる。
※3 ティハンジュ原子力発電所は1号機の運転開始が1975年で出力96万kW、2号機が1983年で100万kW。ドエル原子力発電所2号機は
   1975年の運転開始で43万kW。

 

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