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原子力タービン(ローター)専用工場が竣工

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 三菱重工業が高砂製作所(兵庫県高砂市)内に建設を進めてきた原子力タービン(ローター)専用工場が竣工した。原子力タービンの最重要部品であるローターの素材から完成品までの一貫生産を実現し、年間10本のローター量産を可能とした最新鋭工場。世界最大級の70インチクラスの長大鍛造翼を使用する原子力タービンの生産に対応して、当社の170万kW級原子力発電プラントUS/EU-APWRの重要生産拠点の一つとなるだけでなく、国内外の原子力発電プラントへの高品質な製品供給に貢献する。

【原子力タービン(ローター)専用工場】
 今回竣工したのは、加工から組立までを一貫して手掛けるローター生産専用工場。今後、需要の増加が見込まれる高性能で大型の原子力タービン生産体制強化を担う工場で、これによりローター生産能力は現状の年間6本から4本増となり、当社が目指す“年間2プラント”生産体制構築に向け大きな前進がはかられることとなる。
 新工場は最新設備を多数導入して、各工程での高い品質の確保と、効率化による生産能力の拡大を実現。将来的には、本年度末に完成予定の70インチ級の長大鍛造翼専門加工工場とセットになって、高性能・大型原子力タービンの生産・供給を強力に支えていく。

 原子力タービンは原子力発電プラントの中核機器の一つ。ローターは、回転体であるタービンの軸に相当する部品で、これに翼を植え付けて、原子力タービン本体を組み立てる。
 当社は、現在国内で稼動・建設中の加圧水型軽水炉(PWR)プラント24基すべてに原子力タービンを製作・納入した実績があり、そのプラントの出力合計は2,000万kWを超えているほか、近年では中国、スペイン、スロベニア向けなどにも受注実績がある。

 当社は、PWRプラントの基本計画から設計・製作・検査・据付・試運転、アフターサービスまでを総合的に担うことができる世界有数の原子力プラントメーカー。
 豊富なPWRプラント建設の実績をベースに、当社は現在、今後国内で建設が計画されている改良型PWR(APWR)や、2030年頃から建設需要が見込まれる次世代PWRの開発に注力しているほか、世界最大級(170万kW級)のPWRプラントであるUS/EU-APWRの商談対応や、フランスの原子力総合メーカーAREVA と共同で進める110万kW級PWRプラント“ATMEA1”の開発に取り組んでいる。

 原子力タービン専用工場は、これらの動きを睨んで竣工したもの。当社は、これら最新PWRプラントに対応する高性能・大型原子力タービンの強力な生産・供給拠点ができたことから、さらに積極的な営業活動を展開していく。

 

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