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ベトナムの民間航空機部品工場が本格稼動

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 三菱重工業が、ベトナムの首都ハノイに設立した民間航空機生産会社「MHI Aerospace Vietnam Co., Ltd.:MHIVA」の生産工場が竣工し、ボーイング737向けフラップの本格的な生産を開始した。ベトナムで航空機の部位を生産・出荷するのはMHIVAが初めてで、出荷された737フラップは、米国ボーイング社のレントン工場(ワシントン州)に納入されることとなる。

 現地では14日、新工場の生産体制が整ったことを記念して、在ベトナム日本大使館の坂場三男特命全権大使、Ralph L.“Skip”Boyceボーイング東南アジア社長など来賓のほか、当社からも大宮英明社長はじめ関係者多数が出席して、MHIVAによる開所式が開催された。

【MHIVA 航空機部品工場】
 MHIVAは、民間航空機用コンポーネントの構造組立を手掛ける当社100%出資企業(資本金700万ドル)。設立は2007年12月で、ハノイ中心部から北西16kmのタンロン工業団地に建設を進めてきた生産工場が竣工、2009年6月から生産準備を進めてきた。

 新工場は敷地面積1万9,100m2、建屋面積4,500 m2。ボーイング社の支援のもと、比較的作業が容易な737フラップの組立から手掛け、徐々に生産部位を拡大していく計画。仕上がった737フラップは当面、塗装と最終検査のため、当社名古屋航空宇宙システム製作所に搬入された後、米国へ納められるが、生産が軌道に乗れば、MHIVAから直接納入する。
 従業員は50人体制でスタートし、事業規模の拡大に合わせて増員していく。なお、ベトナムで採用した従業員は、名古屋航空宇宙システム製作所で11ヵ月間、語学と航空機部品の製作の研修を行い、737フラップの組立を習得した。

 フラップは飛行機の揚力を増大させるための装置。これを主翼に取り付けることにより、低速の離着陸時などに不足する揚力を補足する。
 737はClassic型も含め約6,000機が製造されている短中距離タイプ民間航空機のベストセラー機。当社は同機向けフラップの生産を1996年から手掛け、その生産累計台数は3,000機超に達している。

 当社は、ボーイングの次期主力旅客機787向け複合材主翼の本格量産や、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の事業化など、航空機関係の大型プロジェクトを複数推進している。ベトナムでのフラップ生産は、既存のメタル部位組立を豊富な人材を有する海外へシフトし、国内は高付加価値事業に注力していくのが狙い。

 今回、737フラップの組立・出荷が順調に滑り出したことから、当社は今後、メタル構造など既存部位組立を主業務とする海外拠点と、複合材など高度な技術を必要とする高付加価値事業に取り組む国内拠点を機動的に連携させながら、民間航空機事業の一層の進展をはかっていく。

 

製品ページ

Tags: 民間機,アジア,民間機セグメント
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