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固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)の複合発電システム
国内最長の3,000時間運転を達成

発行 第 4859号
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 三菱重工業は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた出力200kW級の複合発電システムで、国内最長の3,000時間運転を達成した。

 SOFCとMGTを組み合わせた複合発電システムは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、当社長崎造船所にて2004年度から開発を進めてきたもので、2007年には、最大出力で世界最大級の229kW、発電効率でクラス最高の52.1%(送電端LHVベース)を達成。国内初の3,000時間運転で、信頼性と耐久性を実証した。

 当社はこの成功を受け、同システムのさらなる信頼性向上・コンパクト化を推し進め、トヨタ自動車と共同開発を進めているSOFCとMGTを組み合わせた業務用・産業用ハイブリッドシステム※、さらには事業用発電システムの実機開発に繋げていく。

 SOFCは、900℃程度の高温で作動するセラミックス製の燃料電池。都市ガスを改質して取り出す水素および一酸化炭素を空気中の酸素と反応させ直接電力を発生するが、今回の複合発電システムは、このSOFCから排出される未反応燃料をガスタービンに投入して発電することで、従来の発電システムを大きく上回る高効率発電を実現する画期的なシステム。

 当社は、風車・太陽電池などの自然エネルギー発電や、原子力発電、さらには高効率火力発電システムなど、CO2削減に向けた多様な発電方式に取り組んでいるが、SOFC技術についても有望視している。SOFCは、数百kWの小容量から数十万kWの大容量にわたって高効率が期待できることから、将来、SOFC複合発電システムの大容量化をその切札と位置づける一方、数百kW~1000kW級のSOFCとMGTを組み合わせた業務用・産業用ハイブリッドシステムについては、MGTを販売するトヨタタービンアンドシステムを関連会社にもつトヨタ自動車と2008年から共同開発を進めている。

 ※ ハイブリッドシステム:発電のみならず、温水、蒸気の熱供給も可能なシステム

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