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ブリュッセル自由大学病院で放射線治療装置が本格稼動

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 三菱重工業が、ドイツのブレインラボ(BrainLAB)社を通して、ベルギーのブリュッセル自由大学病院に納入した最新鋭の放射線治療装置(MHI-TM2000)が、本格的な治療の場に供される。がん患部の位置を正確に把握し、ピンポイントで照射できる先端医療マシンで、健全な身体組織への放射線障害を極力回避できるなど、これまでの装置と比べ、患者の負担を軽減しつつ高精度ながん治療を簡便に行うことができるのが特長。2008年4月の市場投入以来、すでに国内では2台の納入実績を持つが、海外での実績は今回が初めて。

【放射線治療装置「MHI-TM2000」】
 ブリュッセル自由大学病院は、高精度な先端治療を手掛ける欧州を代表する放射線治療センター。今回、厳しい調整・試運転を経て、治療の現場にハイエンドな医療マシンが加わることで、一層充実した医療施設となる。なお、MHI-TM2000の成約・納入は、この装置のOEM(相手先商標製品)供給先であるブレインラボ社との協業により実現した。

 放射線を用いたがん治療では、体内の見えない病巣へ正確に放射線を当て、周辺の正常細胞への副作用をいかに抑えるかが課題となる。当社のMHI-TM2000は、エックス線透視装置を2基装備し、位置決め誤差0.1mm以内という世界最高レベルの正確な放射線照射を可能としたもので、正常細胞への副作用を極力回避するだけでなく、これまで熟練した放射線技師が時間をかけて行っていた患部への位置合わせを自動でも可能とし、より簡便に実現することで、患者・医師双方の負担を大きく軽減する。

 ブリュッセル自由大学病院によるMHI-TM2000の導入は、これらの優れた特性が高く評価されたことによる。当社は、欧州有数の医療施設に納入できた実績を橋頭堡として、ブレインラボ社とともに、放射線治療の本場である欧米市場での一層のプレゼンス向上を目指していく。

 当社は放射線治療装置分野への本格参入に当たり、2005年10月に販売・サービス会社「MHIメディカルシステムズ株式会社(MHI Medical Systems, Inc.)」を、コニカミノルタエムジー(株)、三菱商事(株)、西華産業(株)と4社合弁で設立。海外販売に向けても、ブレインラボ社との協業を構築するなどして、営業体制を整えてきた。
 また、放射線治療装置の開発・生産に関しても、2006年10月に広島製作所(現 機械事業部)内に専用工場を設置して生産を開始する一方、肺呼吸や消化器の働きにより揺れ動くがん病巣をリアルタイムで追尾しながら連続的に照射する世界初の「動体追尾放射線照射」機能を有す装置の開発を進めている。

 当社は今後も、医療機器の開発・製造・販売事業を強力に推進し、将来的には年間100億円規模の事業へ育成していく。

 

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