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樹脂2種類の一体成形技術、顧客に実証試験の場を提供

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 三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社(社長:佐藤 敏弥、本社:名古屋市中村区)は、材質が異なる2種類の樹脂を一体加工できる大型電動二材回転射出成形機「emR」シリーズの実証試験拠点「1450emRトライセンター」を、2010年2月1日に開設する。樹脂部品の大幅な生産性向上や、自動車の軽量化を実現する金属部品の樹脂への代替など、二材一体成形に対する顧客の多様なニーズを掘り起こすのが狙い。併せて、その成果を新製品開発にもつなげていく方針で、高度な樹脂成形市場の創出を目指す。

【1450emR-160/160I】
 同センターは、本社と同じ敷地内にある岩塚工場の一角約550m2に開設する。トライ実証機として、最大1,450トンの型締力を持つ機種「1450emR-160/160I」1台を設置。周辺機器として取出機、金型温調システム、原料供給システムなどを配置し、トライ用金型も用意する。

 二材一体成形に関心を持つ企業は、同センターのトライ実証設備を実際に使ってみることにより、自社の製造工程にこの技術を採用した場合のメリットについて、現場感覚で理解でき、設備投資判断がしやすくなる。また、三菱重工プラスチックテクノロジーにとっては、トライユーザーのさまざまな要望を、既存機種のカスタマイズ改修や、新しい機種の開発に反映させることで事業拡大が見込める。

 emRシリーズは、回転テーブルに載せた積層金型を回転させ、そこに対向配置した一次と二次の射出シリンダーからそれぞれ異なる樹脂を射出するタイプの二材射出成形機としては、世界で初めて電動式を採用。従来の油圧方式に比べ、一次材と二次材の充填精度が高まり生産性が向上すると同時に、騒音や環境負荷を抑えられる。現在、1450emRに加え、最大型締力3,000トンで自動車の天窓(パノラマルーフ)など大型部位も樹脂で成形できる、超大型の「3000emR-470/160I」を製品化している。

 環境保全意識の高まりを背景に、自動車や家電などの製造産業界を中心として、燃費向上に直結する軽量化やライフサイクルにおける省エネに寄与する製造工程の簡素化に向け、部位・部品の樹脂一体成形に対するニーズが高まってきている。これに伴い、二材一体成形をはじめ多材質成形工法が市場の強い関心を集めているが、同技術は未体験という製造現場がまだほとんど。三菱重工プラスチックテクノロジーでは、同センターを樹脂成形産業の高度化を支援する場として積極活用することにより、市場競争を優位に展開するとともに、多材質樹脂成形の可能性を広げる技術・製品開発に力を注いでいく。

Tags: 産業機械,アジア,I&Iドメイン
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