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中国のライセンシー工場で船舶用デッキクレーンの初号機が完成

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 三菱重工業が、船舶用デッキクレーンの製造技術を供与している中国・江蘇省南通市※の南通政田船舶机械有限公司(Nantong Masada Ship Machinery Co., Ltd.:略称 南通政田)がこのほど、デッキクレーンの初号機を完成、現地の大手造船会社に納入した。デッキクレーンは近年、同国でばら積み貨物船などの建造量が飛躍的に伸長していることから需要が急増しているが、同社はこれに対応して増産していく方針。急成長する中国市場に向けた三菱デッキクレーンの戦略的参入拠点としての役割も期待されている。

【南通政田・三菱デッキクレーン初号機】
 南通政田は2005年に、わが国のウインチ製造会社である政田鉄工株式会社(本社:大阪市)と、江蘇省の産業機械製造会社である南通通用机械制造有限公司(Nantong Universal Machinery Co., Ltd.、本社:南通市)が合弁で設立した船舶用甲板機械の製造会社。2008年6月に当社からデッキクレーンのライセンス供与を受け、当社指導のもと、3万m2規模のデッキクレーン専用工場を建設、2009年6月から生産を開始していた。

 南通政田の新工場で製造するのは、巻上荷重30~35トンクラスのデッキクレーン。心臓部にあたる油圧機械などの主要機器は当社が供給している。 今回完成した初号機を江蘇韓通船舶重工有限公司(本社:南通市)に納入したのを皮切りに、同社は生産を本格化させる計画で、2010年に年産50台、最終的には同200台規模の生産を目指している。

 船舶用デッキクレーンは、貨物船の甲板上に設置され、石炭や鉄鉱石、穀物などの貨物の積み込みや陸揚げに使用される荷役機械で、当社は国内シェア40%を占めるわが国最大手。景気低迷下の現在も、近年完成予定分の受注を大量に抱え、事業は順調に拡大しているが、急拡大する中国の需要対応にまでは手が回らない状態が続いていた。
船舶用デッキクレーンでは初めてとなる南通政田へのライセンス供与は、このような環境からの脱却を目指したもので、当社は今後も、南通政田との良好な協力関係を維持・発展させながら、三菱デッキクレーンの世界市場への浸透に努めていく。

※ 江蘇省南通市=上海市の北西約110kmに位置する長江河口の北岸にあり、800社強の日系企業が進出している。

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