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ガスタービン動翼・静翼の補修専用工場が竣工
補修消化能力の向上とリードタイムの大幅短縮を実現

発行 第 4890号
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 三菱重工業が、高砂製作所(兵庫県高砂市)内に建設を進めてきたガスタービン翼の補修専用工場が竣工し、操業を開始する。ガスタービンの動翼・静翼の補修を専門に行って、補修消化能力の向上と納期の短縮を実現する。併せて、海外の補修拠点を統括するマザー工場の役割も担っていく方針で、当社はこれにより、補修サービスをガスタービン事業の新たな収益の柱に育てていく。現地では20日、これを記念して竣工式を開催する。

 新補修工場は2009年4月に起工し、9ヵ月余をかけて建設した。補修専用の設備を新規に導入した工場で、これまで新製翼生産と設備を共用していた補修工事を専用の一貫生産設備に移すことで、リードタイムを一挙に半減し、年間工事消化能力を現状の2万6,000枚から3万2,000枚まで拡大する。建屋面積は約4,400m2

 当社のガスタービン事業は、1963年に初号機を生産・出荷して以降、製品の性能向上に伴って急速に拡大し、2009年7月には出荷累計500基を達成。出力・効率も入り口温度1,500℃級(G形)、1,600℃級(J形)を実現して世界最高レベルを誇る。ガスタービンの動翼・静翼などの高温部品は高温ガス中で使用され、一定期間を経た後は部分補修が必要となるため、納入台数の増加に伴い、補修能力の増強とリードタイムの大幅短縮が急務となっていた。

 新補修工場は全世界の補修工事を指導し統括する機能も有す。当社は、海外補修拠点として、米国の原動機子会社であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA)が運営するフロリダ州オーランドの拠点と、中国東方タービンとの合弁による広州の拠点を活用してきたが、近年の補修工事量の増加を受け、新たに2拠点を加えることにした。一つは、2009年4月にベルギーの現地企業(Maintenance Partners NV:MP)を買収して設立した欧州・中東向け補修拠点、もう一つは同10月にタイ電力公社(Electricity Generating Authority of Thailand:EGAT)と合弁で設立することを決めたアジア向け補修拠点。新補修工場はこれら欧・米・アジアの拠点と密接に連携し、技術交流を通じて技術開発や人材育成などを支援していくことになる。

 当社は、全世界をカバーするガスタービン補修拠点の整備に目途がついたことから、工期短縮を求める顧客のニーズに適切に応えながら、補修サービス事業の拡大に積極的に取り組んでいく。

 

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