Press Information

原子力タービンの鍛造翼専用工場が竣工

Print

 三菱重工業が、高砂製作所(兵庫県高砂市)内に建設を進めてきた原子力タービン鍛造翼を生産する専用工場が20日竣工し、操業を開始した。原子力タービンの中核を構成する鍛造翼の全加工工程を一貫生産できる最新鋭工場。これにより国内外の原子力発電プラント向けに世界最大級の70インチクラスの長大翼など高品質な鍛造翼を供給することが可能となり、当社の170万kW級加圧水型軽水炉(PWR)であるUS/EU-APWRをはじめとする大型原子力発電プラントの重要生産拠点の一つとなる。

 今回の鍛造翼工場は2009年4月に着工、8ヵ月をかけて竣工した。今後、需要の増加が見込まれる高性能で大型の原子力タービンの生産を担う工場として、大きく体制が強化されることとなる。
 新工場は最新の設備と加工法を多数導入、翼面加工の無人化を拡大するなどして、品質向上と生産効率化をはかったのが特徴。2009年9月に竣工した原子力タービンのローター専用工場と併せ、高性能・大型原子力タービンの生産・供給を強力に支えていく。

 原子力タービンは、蒸気発生器で発生した蒸気エネルギーを効率よく回転エネルギーに変換する、原子力発電プラントの中核機器の一つ。回転体であるタービンの軸(ローター)と、この軸に植え付ける鍛造翼などで構成される。
 当社は、現在国内で稼動中のPWRプラント24基すべてに原子力タービンを製作・納入しており、その出力合計は2,000万kWを超え、海外でも、中国、スペイン、スロベニア向けなどの受注実績がある。また、沸騰水型軽水炉(BWR)向けの原子力タービンもメキシコ、台湾に納入している。

 当社は、PWRプラントの基本計画から設計・製作・検査・据付・試運転、アフターサービスまでを総合的に担うことができる世界有数の原子力プラントメーカー。 豊富なPWRプラント建設の実績をベースに、現在、国内で建設が計画されている改良型PWR(APWR)や、2030年頃から建設需要が見込まれる次世代PWRの開発に注力するとともに、世界最大級(170万kW級)のPWRプラントであるUS/EU-APWRの商談対応や、フランスの原子力総合メーカーAREVA と共同で設立したATMEA社を通じて、110万kW級PWR “ATMEA1”の開発に取り組んでいる。

 今回の鍛造翼専用工場は、これらの動きに合わせて竣工したもの。当社は、これら最新PWRプラントに対応する高性能・大型原子力タービンの強力な生産・供給拠点ができたことを受け、さらに積極的な営業活動を展開していく。

 

製品ページ

mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: