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BWオフショア社との協業に合意、提案営業を優位に展開

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 三菱重工業は、液化天然ガス(LNG)の洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage & Offloading unit)を拡販するため、世界的なFPSO保有・運航大手であるBWオフショア社(BW Offshore Limited)と協業することで基本合意した。近くMOU(覚書)に調印する予定。世界初のLNG-FPSO建造に向け、当社が培った造船技術や海洋構造物関係のノウハウと、BWオフショア社が多数のFPSO保有・運航を通じて蓄積した経験を組み合わせ、世界市場で提案営業を優位に展開していくのが狙い。両社は効果的な役割分担により、初号設備の受注を目指す。

 合意内容は、今後具体化するLNG年間生産能力200万トン程度のLNG-FPSOの計画に対し、当社が船体・貯蔵タンクを担当、BWオフショア社が前処理装置・液化設備・タレット(係留装置)を担当し、両社で開発したLNG-FPSOのデザインをベースに共同で受注を目指すというもの。当社が担当する貯蔵タンクは、LNG船で数多くの実績を持ち、信頼性と経済性を確保しているMOSS方式の球形タンク。両社が互いの強みを出し合うことにより、LNG-FPSO全体をパッケージとして、客先ニーズにきめ細かく対応したかたちで提案することが可能となる。

 BWオフショア社は1980年代初めに、ノルウェーの世界的な海運大手であるベルゲッセン社(Bergesen d.y.)の事業部門としてスタート。アンゴラ沖で液化石油ガス(LPG)のFPSOを、世界で初めて運用した実績を持つ。タンカー、ガス、洋上設備などの海洋分野で世界をリードするBWグループに所属している。  これまで14件のFPSOプロジェクトを手掛け、50以上のタレットや洋上ターミナルを引き渡した実績がある。

 LNGの生産は、温室効果ガスであるCO2の排出量が少ないエネルギーとして期待が高まるなか、陸地から遠い海底ガス田や、規模が小さいために未開発だった中小海底ガス田に移行していく流れにある。これに伴い、移設が可能で長大なパイプラインが不要なLNG-FPSOへの関心が高まっており、豪州やインドネシア、ブラジルほかの海域で、LNG-FPSOを使ったガス田開発が計画・検討されている。

 こうした動きを受け、造船会社やLNG生産設備に強いプラントエンジニアリング会社による提案や応札が、活発化してきている。当社はBWオフショア社との協業を弾みに、両社の強みを生かし、LNG-FPSOの提案活動をさらに加速していく。

 


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