汎用ガソリンエンジンに3機種、日米欧の排出ガス規制に適合したラインアップ完成
「TLEシリーズ」に軽量2機種、「GBシリーズ」は7馬力タイプ

　TLE24（排気量22.5cc）とTLE27（同25.6cc）は、欧米など厳しい排出ガス規制対応用エンジンであるTLEシリーズのラインアップを見直し、小型クラスの軽量化を実現。これにより最大型機種の「TLE48」（同47.1cc）まで5機種の新ラインアップが完成した。
　燃焼方式は従来のTLEシリーズと同様に、未燃焼ガスの大気放出を軽減させる層状掃気方式を採用。現在、世界で最も厳しい米カリフォルニア大気資源局（CARB）による3次規制（2005年～）や米環境保護庁（EPA）の3次規制（2010年～）、欧州連合（EU）の2次規制（2008年～）などに加え、2011年から新たに適用される社団法人日本陸用内燃機関協会の自主2次規制（携帯機器用）をクリアしている。
　両機種ともフライホイールをはじめとして様々な部位を見直すことにより、従来機種に比べ8～11%の重量軽減を達成した。現状同クラスの2サイクルエンジンではトップクラスの軽量化を実現。特に高齢化が進む国内の農業従事者に配慮し、刈り払いなど長時間の手持ち作業も負担が少ないようにした。
　燃費（単位出力当たり）は、同クラスの国内向け従来機種に比べ約35％低減した。それぞれにフランジ型と刈払機などに直結できるクラッチケース一体型を揃え、TLE24では逆出力軸のバーチカルタイプも準備、2機種合計で年間8万台の販売を計画している。

　一方のGB220（排気量215cc）は、ミニ耕うん機や草刈機など6馬力クラスエンジンでは出力に物足りなさを感じているユーザー向けとして、既存機種である「GB180」（最大出力6.3馬力）をベースに、外観寸法や重量の増加を抑えて製品化。業界における同クラスエンジンとほぼ同等の寸法で、各種農機への搭載互換性を高めた。GB220の登場によりGBシリーズは、最大型機種の「GB400」（同13馬力）まで7機種のフルラインアップが完成した。
　振動や騒音、始動性は、市場で好評を博しているベース機種GB180からの性能を踏襲。業界トップクラスの使いやすさを実現した。また、高出力化に伴い犠牲となりやすい冷却性能についても、大型冷却ファンや冷却空気取り入れ口の拡大等により、十分な性能を確保した。
　排出ガス規制対策では、米CARB・米EPAやEUの規制、日本陸用内燃機関協会の自主規制（非携帯機器用、2008年～）に適合可能。豊富なアプリケーションを準備し、多彩な作業機側要求に応える。同機は国内外向けに年間3万台の販売を見込む。