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インドで超臨界圧ボイラー、蒸気タービン・発電機の工場が本格稼働
高効率の石炭火力発電ニーズを積極開拓

発行 第 5015号
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 三菱重工業が、インドのラーセン・アンド・トウブロ社(Larsen & Toubro Limited:L&T)と共同出資して設立した、超臨界圧※1石炭焚きボイラーと超臨界圧蒸気タービン・発電機を手掛ける2つの合弁会社の工場が、本格稼働を開始した。経済成長に伴い急拡大を続けるインドの電力需要に積極対応するもので、高効率の石炭焚き火力発電設備を生産・供給していく。

 現地では11日、これを記念して開所式が開催され、インド政府の電力、工業行政関係者およびグジャラート州行政関係者など来賓のほか、L&TからはA.M. Naik会長ら、当社からも大宮英明社長はじめ関係者多数が出席した。

 この2工場はともに、インドの北西部、グジャラート州(Gujarat)ハジラ(Hazira)地区の工業団地内にあり、L&Tの工場に隣接している。ボイラー工場は、L&T-MHI Boilers Private Limited(本社ムンバイ:L&T-MHIボイラー)が運営するもので、約28万m2の敷地に5万4,000m2の建屋を持ち、最新鋭装置によりボイラー耐圧部の溶接および組み立てを開始している。同じ敷地内に1万m2の広さを持つボイラー燃料の石炭を粉砕するミルの工場もすでに完成、機器の組み立てを始めており、2011年秋には部品の機械加工も開始する予定。

 一方のタービン・発電機工場は、L&T-MHI Turbine Generators Private Limited(本社ムンバイ:L&T-MHIタービン・ジェネレーター)が運営。敷地は約28万m2で、5万3,000m2のタービン用建屋および発電機用建屋で構成し、各種の大型機械と試験装置を備えている。同工場では、アンドラプラデシュ州に建設中の石炭焚き火力発電所※2向けに受注した超臨界圧タービンを製作中で、昨年末からサイトへの納入も開始している。

 合弁2社の設立はいずれも2007年で、L&T-MHIタービン・ジェネレーターには、発電機の技術供与を担当する三菱電機も出資している。両社は設立以来順調に受注を重ね、60万kWから80万kWのボイラー7缶、タービン9基の受注をすでに確定し、インド火力発電設備の業界で確固たる地歩を固めつつある。

 L&Tはムンバイに本社を置く同国の建設最大手で、総合重機メーカーとして化学プラント機器や圧力容器の製造なども手掛けている。同社は事業拡大のため、大型火力発電設備事業に進出するに当たり、同事業分野の先端技術を持つ海外企業との協業を計画。成長著しいインド市場への足掛かりを求めていた当社との提携が実現したもの。

 当社は合弁2工場の本格稼働を弾みに、今後も多数の新規火力発電所建設が計画されているインド市場で、超臨界圧ボイラー・タービン設備の需要開拓に一層力を注いでいく。

※1 水は374°C、22.12Mpa(大気圧の約220倍)の臨界点を超えた環境下で、液体と気体の両方の性質を備えた活発な状態(超臨界水)
   となる。超臨界圧ボイラー・タービンは、それ以上の高圧、具体的にはボイラー出口で約25Mpa、約600°Cの高温で高効率運転する。
※2 アンドラプラデシュ電力開発会社(APPDCL)が開発する「クリシュナパトナム火力発電所」(Krishnapatnam Thermal Power Station)向けで、
    L&T-MHIタービン・ジェネレーターは2008年に受注した。

 

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