Press Information

多品種少量生産に強い汎用型歯車研削盤「ZE40A」を開発
創成研削と成形研削に対応しバイアス修正も可能に

発行 第 5022号
Print

 三菱重工業は、最大外径600mmまでの幅広いサイズの歯車を高精度に加工できる汎用型歯車研削盤「ZE40A」を開発した。1月27日(木)と28日(金)に当社工作機械事業部(滋賀県栗東市)で開催する歯車機械内覧会「三菱重工工作機械フェア2011」で披露し、本格販売を開始する。創成研削※1と、成形研削※2の両方に対応し、バイアス修正※3も可能となっている。多品種少量生産を手掛けるジョブショップ(受注生産工場)向けなどを中心に需要を開拓する。

 ZE40Aは9軸NC(数値制御)の全自動機であり、①多様なワークの高精度加工、②段取り替えを容易にして小ロット生産に対応、③非熟練者にも容易な操作・保守性、④省スペース化を狙いに開発。砥石軸と回転テーブルにビルトインモーターによる直接駆動方式を採用し、減速機の振動がない滑らかな回転を実現した。また、砥石を成形・目直しするドレス装置は、NCにより圧力角調整を自動化。設置面積は幅3,750×奥行4,000mmとコンパクトで、クーラント装置の小型化や油・空圧機器類の配置見直しにより、1サイズ下の従来機「ZE15/24A」と比べても15%小さくなった。

 加工可能なワーク外径は、高能率加工では400mmまでだが、テーブル周りのスペースを大きく確保してあるので、加工条件を下げることで600mmまで対応。モジュール※4は0.5から8まで加工できる。成形でも創成でもNC入力することで、機上にて任意の歯形に成形できる。また、ヘリカルギヤ(はす歯歯車)の加工では、歯当たりを中央部に集中させるための中高加工(クラウニング)時に発生するバイアスも修正できる。

 また、追い込み加工を精度良く行ない、初加工品からの精度出しを容易にするソフトを搭載するほか、砥石とドレッサー間、砥石とワーク間の歯合わせ作業も自動化。加えて、テーブルへの接近性を良くすることで、ワークや砥石、治具の交換作業、段取り替えが容易になった。カラーグラフィックに大型画面を採用することで、操作性が向上。機械状態表示画面では、異常の内容と対策を知らせるアラーム表示により初期診断が可能になり、メンテナンスが簡単になった。

 当社は1997年に世界初となる、切削油不要のドライカット歯車加工システムを開発して以来、高能率・高精度で環境にもやさしい各種歯車加工機械・切削工具のラインアップで、業界をリードしてきた。今回の汎用型歯車研削盤ZE40A投入により、ユーザーを一層広げていく。

※1 創成研削=ネジ状の砥石を使い、砥石とワークの歯形・歯筋方向の相対同期運動により歯面を作り出すこと。
※2 成形研削=歯形形状を持つ円盤状砥石を利用して歯筋方向に砥石を相対移動させて研削し、歯面を作り出すこと。
※3 バイアス修正=歯筋を修正することで生じる歯形形状の変化を元に戻すこと。
※4 モジュール=歯車の歯の大きさを表す値。ピッチ円の直径(mm)を歯数で割ったもの。

ZE40Aの主な仕様

ワーク最大径

φ400Max 600mm

最大モジュール

8

砥石外径×長さ

φ220300×125mm

研削砥石回転数

6,000回転/分

砥石モーター出力

25kW

アキシャルストローク:砥石上下

400mm

ラジアルストローク:砥石前後

570mm

幅×奥行

3,750×4,000mm

機械質量

12,000kg

 

 

製品ページ ZE40Aの主な仕様


mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: