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MCOが韓国・現代重工にコンプレッサ技術を供与

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 三菱重工コンプレッサ株式会社(略称 MCO、本社:広島市西区、社長:大崎 裕章、三菱重工業が100%出資)は、韓国の現代重工業(Hyundai Heavy Industries:HHI)にコンプレッサの技術を供与することで合意し、17日にライセンス契約を締結した。コンプレッサの内製化で自社製品の価格競争力向上を目指すHHIと、製品の販路拡大を狙うMCOの思いが一致したもの。

 ライセンス契約の対象機種は、ガスの陸上生産設備や洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage & Offloading unit)に用いられるコンプレッサと、発電所などで使われる燃料ガスコンプレッサ。中国市場向けを除き、韓国内のEPC(設計・建設・調達)企業や造船会社などを経由する全世界向けの案件について、非独占の製造権および販売権をHHIに供与する。

 ライセンス機の生産では、ローターなどの回転体はMCOが供給し、HHIが非回転体および補機を製作・調達する。それぞれの得意分野を分業することにより、品質および価格競争力を高める。HHIは即時に受注活動を始める方針で、自社が手掛けるプラントやFPSOに搭載する一方で、コンプレッサ単体を韓国国内のEPC企業や造船会社に対して販売。3年後には年間30台の受注を目指す。

 HHIは、従業員約2万5,000人を抱える韓国の総合重工業大手で、世界的に需要が高まっているガスの洋上生産設備関連に力を注いでいる。同社は三菱重工から舶用機械などの技術を導入しているが、社外調達してきたコンプレッサをMCOからの技術導入で社内製作に切り替えることで、自社が建設する発電プラントやFPSOの価格競争力強化と納期短縮に役立てるとともに、コンプレッサ単体の販売事業にも積極的に取り組む。

 一方、MCOは昨年4月、三菱重工のコンプレッサ事業を担う専業会社として発足。化学分野向けコンプレッサでトップクラスのシェアを持つ。今回、資源・エネルギー分野でのさらなる事業拡大に向け、FPSOや固定プラットフォーム式の洋上ガス設備を中心とする需要開拓に向けHHIと協業。HHIのネットワークを通じ拡販をはかる一方、HHIをコスト低減に向けたグローバル調達パートナーとして活用することも視野に入れていく。

 MCOのコンプレッサ事業は輸出比率が9割を超える。このため、競争が激化しているグローバル市場で勝ち残るには、全世界的な営業力、生産能力、コスト競争力の強化が大きな課題となっている。MCOではHHIを戦略的パートナーと位置づけ、MCO自身が供給するコンプレッサについても、HHIから機器を調達するなど、両社の協業をさらに拡充していくことも検討。成長分野および未開拓市場に狙いを定め、戦略的協業の積極化も視野に、グローバル市場での機動的な事業展開を加速していく。

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