Press Information

直径1,600mmの大径歯車に対応したギヤシェーパ「SEA1600」を投入
新型主軸早戻し機構でサイクルタイムを短縮

発行 第 5079号
Print

 三菱重工業は、大形ギヤシェーパSEAシリーズに直径1,600mmの大径歯車加工に対応した「SEA1600」を加え、6月20日に本格販売を開始する。新型主軸早戻し機構を搭載するなど、切削以外の時間を減らす工夫により、サイクルタイムの短縮を実現したのが特長。建設機械や風力発電設備などの大径歯車加工向けを中心に、需要を開拓していく。

 SEA1600は、外歯および内歯のワークについて1,600mm径まで加工でき、最大モジュール※1が25までの歯車に対応する。新型主軸早戻し機構は、1ストロークの切削終了点から次のストロークの切削開始点までカッターを移動させる際、高速で主軸を移動させることなどにより、サイクルタイムが短縮する仕組み。最高切削速度は40m/分で、最高戻り速度は70m/分となっている。

 同機は他機種と仕様を共通化するモジュラーデザインにより、標準部品の採用を徹底。直径が1,600mm以下のワークに合わせた各種テーブルサイズにも柔軟に対応できるようにした。また、またぎ歯厚※2の機上計測機能やATC(自動工具交換装置)をオプション搭載することにより、仕上げ寸法まで作業者が段取り替えなどで関与せずに加工できるようになり、不良ワークの発生を最小限に抑えることができる。

 当社は1997年に、世界で初めて切削油を一切使わない完全ドライカットの歯車加工システムを開発。高能率・高精度で地球環境にも配慮した各種歯車加工機械・切削工具のラインアップで業界をリードし、特に自動車産業向けで世界トップクラスの納入実績を誇る。

 近年、建設機械やデッキクレーンの減速機・旋回輪、風力発電設備の増速機や旋回部、サーボプレス機や舶用機械、製鉄機械などの大径歯車に対する需要が増大。このため、大径歯車の高能率・高精度な加工を実現する歯車機械に対する需要が世界的に高まっている。

 当社はこうした流れを受け、2010年から直径2,000mmまでの大径歯車加工に対応できるホブ盤、ギヤシェーパ、歯車研削盤の拡充を順次進めラインアップを充実させてきた。今後、さらなる事業拡大を狙い、大形歯車機械を中心としたアフターサービス、メンテナンス、工具までカバーする新たなビジネスモデルを構築していく。

※1 モジュールは、歯の大きさを表す値で、基準面でのピッチを円周率πで除してmm単位で表示した値。
※2 またぎ歯厚は、連続する数枚の歯(外歯車)または歯溝(内歯車)を隔てた外側の両歯面に接する平行2平面の距離。

■ SEA1600の主な仕様

加工ワーク最大径(外歯)

 

 

φ1,600mm

 

 

加工ワーク最大径(内歯)

 

 

φ1,600mm

 

 

最大加工モジュー

 

 

25

 

 

最大加工歯

 

 

350mm(最大ストローク幅385mm

 

 

主軸ストローク

 

 

1290ストローク/分

 

 

ラジアル移動量

 

 

01,300mm

 

 

ラジアル早送り速

 

 

3,000mm/分

 

 

テーブル最大回転

 

 

3.0回転/分

 

 

テーブル

 

 

φ1,500mm

 

 

テーブル最大荷

 

 

20,000kg(テーブル自重含まず)

 

 

アキシャルストローク

 

 

800mm

 

 

メインモーター

 

 

52kW(連続定格)

 

 

総使用電

 

 

100kVA

 

 

間口×奥行×高さ

 

 

6,700×6,650×5,450mm

 

 

機械質

 

 

50,000kg(標準機)

 

 

 

製品ページ


mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: